Vineyard 29

Vineyard 29(ヴィンヤード 29)

1992年にナパバレーのセントヘレナでTeresa NortonとTom Paineによって始動したワイナリーVineyard 29(ヴィンヤード 29)はフラッグシップであるカベルネ・ソーヴィニョンの評価が高く、2013年ヴィンテージではロバートパーカー監修ワインアドヴォケイト誌で100点満点を獲得する程の実力です。

ヴィンヤード 29について

Teresa Norton and Tom Paine

Teresa Norton and Tom Paine
参照元:legacy.com

アメリカの大手人材コンサルタント会社Hewitt Associates出身のTeresa NortonとTom Paineは1989年に引退した事を機に、ナパバレーに移り住みました。

やがて自分たちの所有する土地がカベルネ・ソーヴィニョンの一等地である事を知るとAbreu Vineyards(エイブリュー・ヴィンヤーズ)のDavid Abreuの力を借り、3エーカーの畑に隣人であるグレース・ファミリー・ヴィンヤーズから調達した苗木を植えてワイン造りをスタートします。
※この苗木は元々Freemark Abbey(フリーマーク・アビー)のBosche Vineyardで使われていたものでした。

ファーストヴィンテージは1992年で250ケースリリース。1992年から1998年までのヴィンテージはGary Galleron(1992年から1994年)とHeidi Barrett(1995年から1998年)がワインメーカーを務めるGrace Familyのワイナリーで造られました。

急展開を見せるヴィンヤード 29の運営体制

Anne McMinn and Chuck McMinn

Anne McMinn and Chuck McMinn
参照元:winecelebration.org

本格的に引退する準備が整った創業者Teresa NortonとTom Paineは2000年になるとヴィンヤード 29をChuck McMinnとAnne McMinnに売却しました。

Chuck McMinnは最盛期には50万人以上の顧客を抱えていたインターネットサービスプロバイダーCovad Communicationsの会長を務めた人物です。Chuck McMinnとAnne McMinnは当初3エーカーだったブドウ畑を4エーカー近くまで拡大し本格的なワイナリーへと発展させました。また、歴史的なブドウ畑の土地(Aida Vineyard)を絶妙なタイミングで手に入れました。

更にワインメーカーにPhilippe Melkaを迎え入れ、最新の醸造設備を備えたワイナリー、カーヴを2002年の収穫に間に合うように完成させました。

Vineyard 29 Cru Series

Vineyard 29 Cru Series
参照元:vineyard29.com

ヴィンヤード 29は生産量が非常に少なく、基本的にはワインクラブのメンバーに割り当てられていた為、小売店で販売できるワインがありませんでした。そこで、2004年ヴィンテージを皮切りに、買いブドウを使ったエントリーレベルのワインシリーズ「Vineyard 29 Cru Series」の生産を開始しました。

このシリーズにはカベルネ・ソーヴィニョン、ソーヴィニヨンブラン、ピノ・ノワール等が含まれます。こうしてヴィンヤード 29はChuck McMinnとAnne McMinnに所有権が移転してから劇的な躍進を遂げていきました。

所有畑一覧

29 Estate
セントヘレナの町の北部、マヤカマス山脈の麓の東向きの斜面に位置する最初の自社畑は岩と砂利で構成された水捌けの良い土壌で4.5エーカーの面積があり、2.75エーカーのカベルネ・ソーヴィニョンと1.25エーカーのカベルネフラン、0.5エーカーのソーヴィニヨンブランが植えられています。

この土地は早朝の太陽の光を浴びるのに理想的な場所です。日中の日差しが強くなる遅い時間には、山脈の上部がブドウ畑に日陰を作ってくれるので、ブドウは午後に一息つく事ができます。その結果、日差しを浴びすぎて乾燥する事なく、ブドウが最適な状態で熟す事ができます。

Aida Estate
ヴァカ山脈とマヤカマス山脈に挟まれた谷底に位置するこの畑は1920年代からプティ・シラーが植えられ、1973年にはジンファンデルが追加された歴史ある畑です。2000年末にChuckとAnneが取得し、現在、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、プティ・ヴェルド、ジンファンデルが植えられています。

土壌は川が堆積してできたもので、フランスのローヌバレー南部に見られるような、岩の多い土壌となっています。また、北からの海洋性の空気の影響を強く受ける為、比較的冷涼です。

リリースワイン一覧

29 Estate Cabernet Sauvignon
創業時から続くオリジナルの自社畑は風通しが良く、自然に霜を防ぐ事ができ、肥沃な粘土質のローム層が深く根を張り、力強く凝縮したニュアンスと、フローラルでベルベットのようなエレガントさを兼ね備えたワインを生み出しています。
29 Estate Sauvignon Blanc
ドライブウェイの上の丘の中腹にある0.5エーカーの小さなブロックで栽培されるソーヴィニヨンブランから造られます。
29 Estate Cabernet Franc
2000年に植樹された小さなカベルネフランの区画は29 Estateの南端に位置する北西向きの斜面にあります。土壌は岩が多い為、水捌けが良く、収穫時には深く凝縮した果実が得られます。
Aida Estate Cabernet Sauvignon
ヴァカ山脈とマヤカマス山脈に挟まれた谷底に位置するこの畑は、北から引き込まれる海の空気の影響が大きくなる為、冷涼な気候となり、濃縮感のあるカベルネ・ソーヴィニョンを生み出します。
Aida Estate Zinfandel
ワイナリーのすぐ北にあるAidaの畑からは、美味しいエステート・ジンファンデルが生産されています。Turley Vineyardsはこの畑でジンファンデルを生産していましたが、Vineyard 29がこの土地を購入した際に、その大部分をカベルネ・ソーヴィニョンに植え替えました。また、幸運な事により小さな古木のジンファンデルのブロックをそのまま残しました。
Aida Estate Late Harvest
1973年に植えられた古いジンファンデルから造られるこの甘口ワインは2002年がファーストヴィンテージ。毎年、以前のヴィンテージをブレンドした既存の樽に追加されるソレラシステムを採用。1年に1樽分程度しか生産されない超貴重なワインです。
Ceanda Cabernet Sauvignon
ナパバレーで収穫されたブドウのブレンドで造られるCeandaはChuck McMinnとAnne McMinnの名前をあわせて名付けられました。

近年のヴィンヤード 29

Keith Emerson

Keith Emerson
参照元:premierenapavalley.com

2017年になるとヴィンヤード 29のワイン造りを長年支えてきたPhilippe Melkaが退職し、後任にKeith Emersonがワインメーカーとしてヴィンヤード 29のワイン造りを管理します。

Keith Emersonはカリフォルニア大学デービス校で醸造学とブドウ栽培の学位を取得した後、ナパのCakebread Cellars、ソノマのGundlach Bundschu Winery、ニュージーランドのPalliser Estate Winesで経験を積み、2005年からヴィンヤード 29に参画している人物です。現在はこのKeith Emersonが中心となってヴィンヤード 29の伝統を受け継ぎ、ワイン造りの任務を担っています。

ワインテイスティングレポート

Vineyard 29 Cabernet Sauvignon 1997 Estate
2021年5月28日

Vineyard 29 Cabernet Sauvignon 1997 Estate
著名なワインコンサルタントHeidi Barrettが手掛けた1997ヴィンテージは600ケース生産されました。

ブラックベリーやブラックチェリーのような黒系果実の香りとブラックカラントのハッキリとしたニュアンスが印象的。また、ややスパイシーでタバコや枯れ葉のニュアンスも取れる。味わいは甘みはナパのカベルネには珍しくやや控えめでソフト。酸味はシッカリと感じられ、タンニンには収斂性がある。強いブラックカラントの香りと上品な酸味が特徴的でした。素晴らしい!

カリフォルニアワインについて

ABOUTこの記事の監修者

日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
2011年よりカリフォルニアワインのバックヴィンテージを追求。 ナパバレー、ソノマに足を運び数多くの名門ワイナリーを訪問。 主に海外のワインオークションで希少なバックヴィンテージを調達。

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