Lewis Cellars

ルイス・セラーズ(Lewis Cellars)

1992年にナパバレー中心部で元カーレーサーであるRandy Lewisランディ・ルイスと妻Debbie Lewisによって設立されたワイナリーLewis Cellarsルイス・セラーズの歴史と功績をご紹介します。希少なバックヴィンテージのワインテイスティングレポートもあわせてお届けします。

Lewis Cellarsルイス・セラーズ設立までの経緯

ジョージア州アトランタで育ったRandy Lewisランディ・ルイスはF3、F5000、インディアナポリス500に出場するプロのカーレーサーという経歴を持ちます。カリフォルニア州にあるサンノゼ州立大学に通っており、当時はナパバレーが近い事もありワインと触れ合う機会が多くありました。

プロのレーサーになると欧州に滞在する事が多く、その際にもワインと触れ合う機会が多くありました。1985年にはサンフランシスコで開催されたワインの試飲会で知り合ったDebbie Lewisと結婚。妻Debbie Lewisはサンフランシスコで最も古いワインバーでマーケティング、販売、管理までワインビジネスで長年の経験があります。その後、ランディ・ルイスのレーシングチームでスコアリング管理やマーケティングに従事していました。

Randy Lewis , Debbie Lewis

左:Randy Lewis 右:Debbie Lewis
参照元:racer.com , lewiscellars.com

1991年のインディアナポリス500の予選で時速220マイル(時速約354キロ)のスピードで壁に激突した事を機にセカンドキャリアを考えるようになります。

この事がターニングポイントとなりランディ・ルイスは独学でワイン造りを学び、関連書籍を読み漁りました。

当時ランディ・ルイスは今では世界的大企業にまで成長したOracle(オラクル)の創業者Bob Minerと深い親交があり、Bob Minerが所有するOakville RanchのMiner Family Vineyardsでワイン造りを手伝っていました。

ある時Bob Minerが癌である事が発覚するとBob Minerはルイス夫妻に自分たちのワイナリーを持つよう強く勧めました。そして1992年にRandy Lewisと妻Debbie Lewisは自身のブランドLewis Cellarsルイス・セラーズを設立します。当初はOakville Ranchからブドウを購入し、Miner Family Vineyardsの敷地を間借りしてワインを造っていました。

進化していくルイス・セラーズ

Cuvee L

Cuvee L
参照元:lewiscellars.com

1996年になるとランディ・ルイスは米国で最も影響力のあるワインメーカーの1人ヘレン・ターリーをコンサルタントとして迎え入れます。

そして翌年、ルイス・セラーズの実力を世に知らしめたフラッグシップワインCuvee Lを造り出しました。Lewis Cellars Cabernet Sauvignon Cuvee L は特に優れた年にしか生産されないプレミアムワインです。

Dennis Bell

Dennis Bell
参照元:lewiscellars.com

1999年には息子Dennis Bellがルイス・セラーズに参画します。人事管理、人事コンサルティングの経歴を持つDennis Bellはルイス・セラーズで主に営業とマーケティン活動に従事します。2003年になると現在のワイナリーがあるBig Ranch Roadへ移転し晴れてルイス・セラーズ独自のワイナリー施設を所有します。2013年にはワインメーカーにJosh Widamanを迎え入れます。

Josh Widamanはカリフォルニア大学デービス校でブドウ栽培と醸造学の学士号を取得した後、Chimney Rock Wineryでアシスタントワインメーカーを務めるとStags’ Leap Winery、Gloria Ferrer、チリのVina Tarapacaで経験を積みPahlmeyer(パルメイヤー)のワインメーカーを経てルイス・セラーズへ入社しました。

リリースワイン一覧

ルイス・セラーズでは自社畑は所有していませんが、カリストガ、セントヘレナ、ラザフォード、オークノールを含むナパバレーのプレミアムサイトからブドウを仕入れています。また、シャルドネの一部はソノマカウンティの有名なロシアン・リバー・バレーから調達しています。

このようにルイス・セラーズでは自社の畑を所有していないにもかかわらず、品種、クローン、根株の選択に至るまで、契約畑の管理と栽培の決定権を握っています。ここではルイス・セラーズからリリースされている各ワインの詳細をご紹介します。

Cabernet Sauvignon
カベルネ・ソーヴィニョンにはCabernet Sauvignon、Reserve、Hillstone Vineyard、Mason’sの4種類があり、Reserveはカリストガ、ラザフォード、オークノールのブドウから造られます。Hillstone Vineyardはラザフォードの一等地から仕入れたブドウで造られ、Mason’sはCabernet Sauvignon Napa Valleyと同じ畑の厳選されたブドウから造られます。
Cuvee L
1997年にはじめてリリースされたCuvee Lはルイス・セラーズの最高のロットからのみ造られます。拘りの強さからCuvee Lは毎年造られるわけではなく特に優良なロット、バレルが生まれた年のみ生産される究極のワインです。
Cuvee 7
ツール・ド・フランスで7度の優勝を果たしたLance Armstrong協力して開発したカベルネ・ソーヴィニョン。Lance Armstrongがツール・ド・フランスで7度目の優勝を果たした年に造られたナパバレー産カベルネ・ソーヴィニョン100%でわずか4樽(90ケース未満)の生産量という非常に希少性が高いワインです。
Merlot
プリチャードヒルの丘陵地の中腹に位置する畑から低収量で収穫されるメルローは丸いタンニンを生みしなやかなワインに仕上がるのが特徴です。
Chardonnay
シャルドネにはChardonnay Napa Valley、Reserve Chardonnay Napa Valley、Sonoma Russian River Valley、Barcaglia Lane Chardonnay Russian River Valleyの4種類があります。Barcaglia Laneはロシアン・リバー・バレーにあるダットン家所有の単一畑から調達したブドウで造られます。
Alec's Blend
1997年にデニスの息子の誕生を祝うために造られたアレックはシラーとメルローのブレンドを中心にカベルネ・ソーヴィニョンやカベルネフランをブレンドする珍しいワインです。
Syrah
シラーにはSyrah、Petite Sirah、Ethan’s Syrah、Vin Gris Syrahの4種類があり、Petite SirahはカリストガからEthan’sはオークノールから仕入れたブドウを使用。Vin Gris Syrahはシラー100%から造られるロゼです。
Debbie's Cuvee
生前ソーヴィニヨンブランが好きだった妻Debbieに敬意を表して2018年からDebbie’s Cuvee Sauvignon Blancをリリースするようになりました。
Sauvignon Blanc
ソーヴィニヨンブランにはSauvignon Blanc Napa ValleyとReserve Sauvignon Blanc Napa Valleyがありいずれも生産量が極めて少ないという特徴があります。

近年のルイス・セラーズ

Wine Spectator wine of the year 2016

Wine Spectator wine of the year 2016
参照元:winespectator.com

Wine Spectatorが選ぶ2016年のNo,1ワインにLewis Cellars Cabernet Sauvignon Napa Valley 2013が選出されました。

Wine Spectatorは毎年ワインを品質、価値、入手可能性、感動の点から調査・評価した上でその年の年間TOP100ワインを決定しています。年間No,1ワインに輝く事は並大抵の事ではありません。ルイス・セラーズの事業は順風満帆そのものです。

2017年になると妻Debbie Lewisが癌を患い72歳の若さで亡くなりました。Debbie Lewisはカリフォルニア州セントラルバレー・サクラメントの歴史ある農場で育ち、ワイン小売業に携わるとランディ・ルイスと結婚し10年以上カーレーサーとしてのキャリアをサポートしました。カーレーサーの道からワイナリー経営に転身する際も積極的にランディ・ルイスをサポートしました。「Debbie無しではルイス・セラーズは存在しなかったでしょう。」後にランディ・ルイスをこのように述べています。

現在、ルイス・セラーズではランディ・ルイスとDebbieの息子Dennis Bellがワイン造りのプログラムを監督しており、Dennis Bellは社長に就任して販売、管理、経理、IT等も全般的に監督しています。

Randy Lewis and Dennis Bell

Randy Lewis and Dennis Bell
参照元:lewiscellars.com

ワインテイスティングレポート

Lewis Cellars Reserve Cabernet Sauvignon Napa Valley 1998
2020年9月30日

Lewis Cellars Reserve Cabernet Sauvignon Napa Valley 1998

熟したプラムの香りに杉や針葉樹の強い香りがあり、若干の甘草とスパイスのニュアンスも取れる。味わいは甘味は控えめでソフト。酸味はやや強め。

タンニンはこのヴィンテージでもシッカリとしていて収斂性がある。ナパのカベルネにしては珍しく甘さ控えめ、酸味は上品、複雑性があるところが好感を持てる。

Lewis Cellars Alec’s Blend Red Wine Napa Valley 1999
2020年9月30日

Lewis Cellars Alec's Blend Red Wine Napa Valley 1999

シラーとメルローのブレンドという珍しいこのワインはカシスやブラックベリーのように赤系果実と黒系果実の中間のニュアンスがありゼラニウムのニュアンスも取れる。更に非常にスモーキー。

味わいは甘味は控えめでソフト。酸味は爽やか。タンニンは比較的シッカリとしている。癖になる美味さがあり是非1度お試しいただきたい!

Lewis Cellars Vin Gris Syrah Napa Valley Rose Wine 2018
2020年9月30日

Lewis Cellars Vin Gris Syrah Napa Valley Rose Wine 2018

ストロベリーやラズベリーのような華やかな赤系果実の香りの中にバラのニュアンスも取れる。味わいは甘味は比較的強くまろやか。酸味はなめらかでタンニンは緻密。

Lewis Cellars Sauvignon Blanc Napa Valley 2018
2020年9月30日

 Lewis Cellars Sauvignon Blanc Napa Valley 2018

柑橘類やレモン、ライムの香りの他にマンゴーや強いトロピカルフルーツの香りも取れる。味わいは甘味は味わいは甘味は比較的強くまろやか。

酸味はシッカリとしていて爽やか。苦味は穏やか。カリフォルニアのソーヴィニヨンブラン特有の強いトロピカルフルーツの香りが特徴的でした。

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カリフォルニアワインについて

ABOUTこの記事の監修者

日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
カリフォルニアワイン協会認定資格 California Wine Certification Program Level 2

2011年よりカリフォルニアワインのバックヴィンテージを追求。 ナパバレー、ソノマに足を運び数多くの名門ワイナリーを訪問。 主に海外のワインオークションで希少なバックヴィンテージを調達。

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