Peter Michael Winery

ピーター・マイケル・ワイナリー(Peter Michael Winery)

1983年に設立されたソノマ郡セントヘレナ山の西側に位置する、ナイツバレー唯一のワイナリー「ピーター・マイケル・ワイナリーPeter Michael Winery」 。ワイン造りはフランスの伝統をモデルにしているピーター・マイケルは、ワインアドヴォケイト監修のロバートパーカーによって12回も100点満点を獲得している超実力派のワイナリー。フラッグシップはカベルネ・ソーヴィニョンですが、厳選されたシャルドネセレクション「ポイント・ルージュPoint Rouge」の評価が非常に高いのも特徴です。

ピーター・マイケルについて

Pete and Maggie Michael in 1989

Pete and Maggie Michael in 1989
参照元:petermichaelwinery.com

Peter Michaelピーター・マイケルは、イングランドの老舗切手商スタンレー・ギボンズの頭取であった父Albert Michaelと母Enid Michaelの間に生まれました。

幼少期はイングランドのロンドン南部にあるクロイドンで育ち、クイーン・メアリー(ロンドン大学)を卒業し、 Smith Industries(エンジニアリング企業)とPlessey(電子機器メーカー)でキャリアを積んだ後、1968年に起業。

Micro Consultants Group(建築設計システム会社)、UEI plc(電子機器メーカー)、Cosworth Engineering(自動車エンジニアリング会社)、Quantel(デジタル制作機器メーカー)等を設立・管理しました。
※この他にホテル経営やピーター・マイケル財団を運営していたピーター・マイケルは、1989年に産業と政治の両面から築き上げた経済的繁栄が認められ、エリザベス女王からイギリスの名誉制度の1つ「ナイト爵(騎士号)」の称号が与えられました。

Sonoma County Map

ピーター・マイケルは、1976年にワインの歴史を変えた米仏ブラインドテイスティング対決「パリテイスティング」に感銘を受け、6年もの間ワイン造りに適した土地を探した末、1983年カリフォルニア州ソノマ・バレー北部カリストガのマウントセントヘレナ西側に位置するナイツバレー地域(低い所では谷底、高い所では標高2,000フィートまでの範囲の地域)に630エーカーの土地(Sugarloaf Ranch)を購入しました。

Peter Michael Logo妻Margaret が敷地内に咲く野生のカリフォルニアン・ポピーを見つけ、それを好んだ事からピーター・マイケル・ワイナリーのロゴはこのポピーになりました。まず初めにピーター・マイケルは、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドを植える事から始めました。

1987年になるとワインメーカーとしてHelen Turleyヘレン・ターリーを迎え入れました。ヘレン・ターリーは B.R.Cohn、Chappellet、Colgin、Bryant Family、Turley、Martinelli、Pahlmeyer等の名だたるワイナリーで実績を残したアメリカで最も評判の高い人物でした。※現在はかの有名なMarcassin Vineyardマーカッシン・ヴィンヤードのオーナー

Helen Turley

Helen Turley
参照元:skurnik.com

MARCASSIN VINEYARD

MARCASSIN VINEYARD
参照元:kysela.com

そして、近くのアレキサンダー・バレーのGauer Ranch(現在のAlexander Mountain Estate Vineyard)からブドウを仕入れ、ピーター・マイケルから初のシャルドネ「Mon Plaisirモン・プレジール」をリリースします。

翌年1988年には自然酵母を使った、同じくアレキサンダー・マウンテンの特別なシャルドネの樽セレクションである「Cuvee Indigeneキュヴェ・アンディジェーヌ(インディジェン)」をリリース。

更にカリフォルニア版ボルドーブレンドであるLes Pavotsもリリースしました。ピーター・マイケル・ワイナリーでは所有する広大な敷地内の気候を考慮して、標高が低いエリアではボルドー品種を栽培し、高いエリアではシャルドネを栽培しました。

こうしてヘレン・ターリーはピーター・マイケル・ワイナリーの創業ワインメーカーとしての役務を全うし、1989年には退任します。ちょうどこの年にナイツバレーの敷地内にワイナリー施設が完成します。

勢いが止まらないピーター・マイケル・ワイナリーの躍進

Mark Aubert

Mark Aubert
参照元:sfgate.com

ヘレン・ターリーの後継者には、今日のピーター・マイケル・ワイナリーの基礎を築く事になるMark Aubertマーク・オーベールがワインメーカーを務めます。マーク・オーベールはこの10年後に自身のワイナリーで、今やカリフォルニアトップクラスのシャルドネの造り手として名を馳せるAubert Winesを立ち上げます。

1990年にはClos du Ciel Chardonnayをリリースします。当時Clos du Cielは現在リリースされているピノノワールではなく、ハウエル・マウンテンにあるLiparita Vineyardから買い付けたブドウで造られたシャルドネでした。
※1998年が最後のヴィンテージになります。翌年1991年には同じLiparita Vineyardから買い付けたブドウでL’Apres Midi Sauvignon Blancをリリース。
※1998年に自社畑Les Pavots Vineyardのブドウに変更

そして、1992年には長期熟成を目的に各畑の最高の樽から厳選して造られ、後にパーカーポイント100点満点を5回も取る事になるカリフォルニアシャルドネの最高峰Point Rouge(ポイント・ルージュ)をリリース。

※2012、2015、2016、2017、2018年ヴィンテージで100点満点を獲得
※2015、2016、2017、2018年に関しては4年連続の100点満点

1994 The White House State Dinner Menu

参照元:q.bstatic.com

1994年にホワイトハウスで開催されたクリントン大統領による晩餐会で、南アフリカのネルソン・マンデラ大統領を称え振舞われたワインに1991年ヴィンテージのピーター・マイケル・シャルドネが採用されました。

更に1995年にはBelle Cote Estate Chardonnayを、1997年にはLa Carriere Estate Chardonnayをリリースします。同じく1997年にはCentral CoastのMontereyモントレー郡にあるサンタ・ルチア・ハイランズのワイナリーPisoni Vineyardsピゾーニ・ヴィンヤーズからの買いブドウで、ピーター・マイケル・ワイナリー初となるピノノワールLe Moulin Rouge Estate Pinot Noirをリリースします。

ピーター・マイケル・ワイナリーはこの1997年のLe Moulin Rouge Estate Pinot Noirを機に、ピノノワールを探求していきます。

「ピノノワールをもっと深く探求しようと思ったら、自社畑のブドウからピノノワールを造るべきだ」と考え、1998年に現在のソノマ郡Fort Ross-Seaview AVAにある400エーカーのSeaview Vineyardを購入しました。

1997年フランス・パリのCrillon Hotelでモンラッシェのブラインド試飲会が開催されました。

この会にはワインアドヴォケイトでロバートパーカーの最も近い協力者の1人であったPierre Rovaniも参加していました。
実はこの試飲会ではいくつかのシャルドネを替え玉としてエントリーする事が許可されており、その1つがPeter Michael Chardonnay Pointe Rougeでした。

結果は、同じく替え玉であるCoche-Dury Corton-Charlemagne、本命のDomaine de la Romanee-Conti Montrachet、Domaine Ramonet Montrachetをおさえて、Peter Michael Chardonnay Pointe Rougeが1位に輝くという快挙を成し遂げたのです。

Vanessa Wong

Vanessa Wong
参照元:peayvineyards.com

1999年にはナパのロバート・モンダヴィとフランシスカン、ボルドーのシャトー・ラフィットとブルゴーニュのドメーヌ・ジャングリヴォでワイン造りに携わっていたVanessa Wongヴァネッサ・ウォンが、アシスタント・ワインメーカーからワインメーカーに昇格。

マーク・オーベールはコンサルタントとしてワイナリーに残ります。

2001年にヴァネッサ・ウォンが退任するとLuc Morletリュック・モルレがワインメーカーに就任します。リュック・モルレの家族は5世代にわたってシャンパーニュのPierre Morletを所有しており、自身もテクニカルディレクターを務めました。

Luc Morlet

Luc Morlet
参照元:grapelive.com

その他にブルゴーニュのChanson Pere & Fils、ボルドーのChateau Dauzacで経験を積んだ後にナパバレーのNewton VineyardとStaglin Family Vineyardでワインメーカーに就任します。

※後に自身のMorlet Family Vineyardsを立ち上げるとカベルネ・ソーヴィニョン、ピノノワール、シャルドネ、カベルネ・フラン、ソーヴィニョン・ブランでパーカーポイント100点満点を獲得する程の実力を持つワイナリーとなりました。

同じく2001年にカリフォルニア版ボルドーブレンドを造りだすLes Pavotsの畑の若いブドウで造られる L’ Esprit des Pavotsレスプリ・デ・パヴォをリリースします。

翌年2002年にはMa Belle Fille Estate Chardonnay(マ・ベル・フィーユ)をリリース。

これで現行のシャルドネMon Plaisir Vineyard(モン・プレジール)、Cuvee Indigene(キュヴェ・アンディジェーヌ)、Point Rouge(ポイント・ルージュ)、Belle Cote Vineyard(ベル・コート)、La Carriere Vineyard(ラ・キャリエール)、Ma Belle-Fille Vineyard(マ・ベル・フィーユ)が出揃います。

2003年、ジョージ・W・ブッシュ大統領主導でホワイトハウスにて開催されたエリザベス女王2世を称える晩餐会で、Peter Michael Les Pavots 1997が採用されました。

2005年になるとリュック・モルレは弟のNicolas Morletニコラス・モルレにワインメーカーの役務を引き継ぎます。※自身もコンサルタントとして引き続きワイナリーに残ります。

Nicolas Morlet

参照元:wine-searcher.com

ニコラス・モルレは、兄リュック・モルレ同様、家族が所有するシャンパーニュのPierre Morletで育ち、ブルゴーニュのChanson Pere & FilsとボルドーのChateau Lascombesで経験を積んだ後2005年にアメリカに移住し、Joseph Phelps VineyardsでフラッグシップのInsigniaとBackusの瓶詰に携わりました。 ニコラス・モルレは次のように述べています。

「2001年にパリのCrillon Hotelでピーター・マイケルのワインを飲んだ時、グランクリュレベルのワインがカリフォルニアで生産されているとは想像もしていませんでした。4年後、私は荷物をまとめてカリフォルニアに向かいました。これは私がこれまでに下した最高の決断でした。」

自社畑産ピノノワールのリリースとナパバレー進出

1997年にPisoni Vineyardsピゾーニ・ヴィンヤーズからの買いブドウでLe Moulin Rouge Estate Pinot Noirをリリース後、1998年にソノマ郡Fort Ross-Seaview AVAにSeaview Vineyardを購入したピーター・マイケル・ワイナリーは、そこから約8年の月日を経て2006年にようやく自社畑にピノノワールが植えられるようになり、Clos du Ciel、Ma Danseuse、Le Capriceの3区画が作られました。2008年にピノノワール用の醸造施設が完成すると、翌年2009年には念願の自社畑産Clos du Ciel、Ma Danseuse、Le Capriceのファーストヴィンテージをリリースしました。

そして、同じく2009年、ついにナパバレーに進出します。オークビルの標高500~600フィートの赤土が広がるこの地区にはScreaming Eagle、Dalla Valle、Joseph Phelps Backus Vineyardもあります。

18エーカーの畑にはカベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネ・フランが植えられ2011年にAu Paradisの名でファーストヴィンテージをリリースします。

ピーター・マイケル・ワイナリーが手掛けるボルドーブレンドはソノマ産のLes Pavots、L’Esprit des Pavotsとナパ産のAu Paradisがリリースされる事になります。

ピーター・マイケルのワインが造られる8つの畑

ピーター・マイケル・ワイナリーのこだわりの1つである「山のブドウ畑」でも標高や地形、土壌、気候によって特徴が異なります。以下に各畑の特徴をご紹介します。

Ma Belle-Fille Vineyard(マ・ベル・フィーユ・ヴィンヤード)
ソノマ郡ナイツバレーにある標高1,700~1,900フィート、14エーカーの畑で、岩が多い火山起源の流紋岩土壌にシャルドネが栽培されています。海洋の影響を最も多く受けるのが特徴です。
Belle Cote Vineyard(ベル・コート・ヴィンヤード)
ソノマ郡ナイツバレーにある標高1,700~1,800フィート、15.5エーカーの畑で、岩が多い火山起源の流紋岩土壌にシャルドネが栽培されています。熟成が遅くブドウの生育期間が長いのが特徴です。
Mon Plaisir Vineyard(モン・プレジール・ヴィンヤード)
ソノマ郡ナイツバレーにある標高1,700~1,800フィート、7エーカーの畑で、岩が多い火山起源の流紋岩土壌にシャルドネが栽培されています。特に低収量であるのがこの畑の特徴です。
La Carriere Vineyard(ラ・キャリエール・ヴィンヤード)
ソノマ郡ナイツバレーにある標高1,200~1,700フィート、17エーカーの畑で、岩が多い火山起源の流紋岩土壌にシャルドネが栽培されています。40度以上の急勾配が特徴の畑です。
Seaview Vineyard(シービュー・ヴィンヤード)
ソノマ郡フォート・ロス・シービューにある標高1,000~1,500フィート、26エーカーの畑で、岩質沖積堆積物や粘土質の土壌にピノノワールが栽培されています。海岸からの最初の稜線の内陸面に位置し、その名の通り最も海に近い畑です。
Les Pavots Vineyard(レ・パヴォ・ヴィンヤード)
ソノマ郡ナイツバレーにある標高900~1,400フィート、64エーカーの畑で、岩が多い火山起源の流紋岩土壌にカベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フラン、メルロー、プティ・ヴェルド、ソーヴィニョン・ブラン、セミヨンが栽培されています。特に急斜面が多いこの畑は機械が使えず、手摘みを余儀なくされるため谷底の畑と比べて2倍以上のコストが掛かります。
Pisoni Vineyard (ピゾーニ・ヴィンヤード)
モントレー郡サンタ・ルチア・ハイランズにある標高1,300フィート、4.5エーカーの畑で、花崗岩土壌にピノノワールが栽培されています。

海岸沿いに近く、海の影響を多く受ける涼しいこの畑は、Pisoni Vineyardが所有するピーター・マイケル・ワイナリー指定の区画になります。

Au Paradis Vineyard(オー・パラディ・ヴィンヤード)
ナパ郡オークビルにある標高500~600フィート、18エーカーの畑で、赤土の土壌にカベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フラン、メルローが栽培されています。

丘の中腹の斜面が日中の理想的な太陽を受け、豊かで力強い果実を育てます。

リリースワイン一覧

RED Wine

Les Pavots Vineyard(レ・パヴォ・ヴィンヤード)
Les Pavots(レ・パヴォ)Sonoma County/Les Pavots Vineyard/Cabernet Blend

ソノマ郡ナイツバレーにある標高900~1,400フィート、64エーカーの畑で、岩が多い火山起源の流紋岩土壌にカベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フラン、メルロー、プティ・ヴェルド、ソーヴィニョン・ブラン、セミヨンが栽培されています。

特に急斜面が多いこの畑は機械が使えず、手摘みを余儀なくされるため谷底の畑と比べて2倍以上のコストが掛かります。


Au Paradis(オー・パラディ)
Au Paradis(オー・パラディ)Au Paradis Vineyard/Napa Valley/Cabernet Blend

フランス語で楽園を意味する「Au Paradis」はLes Pavotsとは対照的でナパバレー産のボルドーブレンドです。

緩やかに傾斜した高台に注ぐ強い日差しから、シルキーなタンニンを持ち、豊かで力強いワインに仕上がります。

参照元:petermichaelwinery.com

L’Esprit des Pavots(レスプリ・デ・パヴォ)
L’Esprit des Pavots(レスプリ・デ・パヴォ)Sonoma County/Napa County/Cabernet Blend

フランス語でポピーの花の精神を意味する「L’Esprit des Pavots」は、エステート畑Les Pavotsの精神や本質を持ち続けるという意味があります。

それというのもL’Esprit des Pavotsは、Les Pavotsの畑で「Les Pavots」に使われなかったブドウから造られるという背景があります。

参照元:petermichaelwinery.com

Ma Danseuse(マ・ダンスーズ)
Ma Danseuse(マ・ダンスーズ)Seaview Vineyard/Sonoma County/Pinot Noir

「My Dancer」のフランス語で、妻レディーマイケルに敬意を表して名付けられました。フォート・ロス・シービューAVA最北端の涼しい地域で栽培されたブドウから造られるMa Danseuseは、ピーター・マイケル・ワイナリーの中でも最も女性的な印象を与えます。

参照元:petermichaelwinery.com

Clos du Ciel(クロ・デュ・シェル)
Clos du Ciel(クロ・デュ・シェル)Seaview Vineyard/Sonoma County/Pinot Noir

フランス語で「空の壁に囲まれたブドウ園」を意味するクロ・デュ・シェルは、エリアの最南端に位置し、太陽への露出が最も大きく、海洋からの影響が最も少なくなります。Ma Danseuseとは地理上対照的になるため、Clos du Cielは最も男性的な印象となります。

参照元:petermichaelwinery.com

Le Caprice(ル・カプリス)
Le Caprice(ル・カプリス)Seaview Vineyard/Sonoma County/Pinot Noir

気まぐれで神経質な意味を表す「Le Caprice」。ピノノワールという品種の気まぐれな性質を反映して名付けられました。

最も急峻な畑で造られるこのワインは太平洋の冷却の影響と穏やかな日当たりの良い山の気候の両方から恩恵を受けており、濃縮かつエレガントなピノノワールに仕上がっています。2007年と2008年はRussian River ValleyのReuling Vineyardのブドウを使ってリリースしていました。

参照元:petermichaelwinery.com

Le Moulin Rouge(ル・ムーラン・ルージュ)
Le Moulin Rouge(ル・ムーラン・ルージュ)Pisoni Vineyard/Monterey County/Pinot Noir

パリの有名なナイトクラブの名前で、フランス語で「赤い風車」を意味し、実際に屋根の上に赤い風車があります。

沿岸気候と花崗岩の土壌による緻密で繊細な豊かさがワインに複雑性を与えます。買いブドウではありますが、ピーター・マイケル・ワイナリー第1号にして最高峰のピノノワールです。

参照元:petermichaelwinery.com

WHITE Wine

L’Apres-Midi(ラプレ・ミディ)
L’Apres-Midi(ラプレ・ミディ)Les Pavots Vineyard/Sonoma County/Sauvignon Blanc/Semillon

フランス語で「午後」を表すL’Apres Midiはゆっくりとした午後の喜びに敬意を表して名付けられました。フラッグシップのLes Pavotsの畑で栽培されているソーヴィニョン・ブランとセミヨンのブレンドです。

高台、急斜面、冷涼な土地の恩恵を受けてフルーティーで風味豊かなワインに仕上がります。

参照元:petermichaelwinery.com

Coeur a Coeur(クール・ア・クール)
Coeur a Coeur(クール・ア・クール)Les Pavots Vineyard/Sonoma County/Sauvignon Blanc/Semillon

Coeur a Coeurはフランス語で、英語に訳すと「Heart to heart」。L’Apres-Midi同様、フラッグシップのLes Pavotsの畑で栽培されているソーヴィニョン・ブランとセミヨンのブレンドで、Coeur a Coeurは50:50のブレンド比率になります。

参照元:petermichaelwinery.com

Ma Belle-Fille(マ・ベル・フィーユ)
Ma Belle-Fille(マ・ベル・フィーユ)Ma Belle-Fille Vineyard/Sonoma County/Chardonnay

フランス語で「息子の嫁」を意味するMa Belle-FilleはEmily Michaelに敬意を表して名付けられました。

ピーター・マイケル・ワイナリーの中で最も標高が高いこの畑は霧の上にあるため日照量が多く、果実が良く熟すため、最も早く収穫されます。

参照元:petermichaelwinery.com

Belle Cote(ベル・コート)
Belle Cote(ベル・コート)Belle Cote Vineyard/Sonoma County/Chardonnay

フランス語で「美しい斜面」を意味するBelle Coteは、フランス・クールシュヴェルの有名なゲレンデにちなんで名付けられました。

東向きの斜面にあるこの畑は午後の日差しをさほど受けず、かつ木々に守られるため果実が熟すのに時間が掛かり、結果として綺麗な柑橘とミネラルを備えたワインに仕上がります。

参照元:petermichaelwinery.com

Mon Plaisir(モン・プレジール)
Mon Plaisir(モン・プレジール)Mon Plaisir Vineyard/Sonoma County/Chardonnay

フランス語で「私の喜び」を意味するMon Plaisirはこのワインへの喜びから名付けられました。20年以上もの間Gauer Ranchからブドウを調達し、2010年に現在のMon Plaisir Vineyardのブドウでワインが造られるようになりました。

4つのシングルヴィンヤード・シャルドネの中で最も豊かなワインに仕上がります。

参照元:petermichaelwinery.com

La Carriere(ラ・キャリエール)
La Carriere(ラ・キャリエール)La Carriere Vineyard/Sonoma County/Chardonnay

フランス語で「採石場」を意味するLa Carriereは浅い岩の多い土壌にちなんで名付けられました。

最大40%の急斜面で南東に面し、岩の多いこの土地からは柑橘の香りが強く、海塩や湿った石のようなミネラル感溢れるワインに仕上がります。

参照元:petermichaelwinery.com

Cuvee Indigene(キュヴェ・アンディジェーヌ)
Cuvee Indigene(キュヴェ・アンディジェーヌ)Barrel Selection Cuvee/Chardonnay

フランス語で「土着のブレンド」を意味するCuvee Indigeneは、天然酵母でブドウを発酵させる伝統的な慣習にちなんで初代ワインメーカー「ヘレン・ターリー」によって名付けられました。

1988年以来毎年生産されているこのシリーズは4つのエステートシャルドネブドウ畑の最高の樽から選ばれます。

参照元:petermichaelwinery.com

Point Rouge(ポイント・ルージュ)
Point Rouge(ポイント・ルージュ)Barrel Selection Cuvee/Chardonnay

ピーター・マイケル・ワイナリー・シャルドネの頂点に君臨するPoint Rouge(ポイント・ルージュ)は、長期熟成を目的として4つのエステートシャルドネブドウ畑の最高の樽から選ばれる究極の厳選されたシャルドネセレクションです。

初代ワインメーカー「ヘレン・ターリー」が各畑の最高の樽に目印として赤いステッカーを貼っていた事にちなんで名付けられました。ボトルに入って4~5年経つと、味に複雑性が出始め、特徴的な白いトリュフの香り、フルーツとミネラルの風味が広がり、20年近く熟成し続けます。

参照元:petermichaelwinery.com

Peter Michael Wineryのその後

Wine Spectator’s Distinguished Service Award for 2014

参照元:lastheplace.com

2014年、ピーター・マイケルはワイン業界での功績が認められ、ワインスペクテーター特別賞を受賞。2014年11月15日にワインスペクテーターの表紙も飾りました。この名誉ある賞の過去受賞者にはEric de Rothschild、Robert Mondavi、Helen Turley、Francis Ford Coppola等ワイン業界の巨匠が多く含まれます。

2015年にはワインスペクテーターが選ぶTOP100ワインの1位(Wine of the Year)に、ナパバレー産のボルドーブレンドPeter Michael Cabernet Sauvignon Oakville Au Paradis 2012が選出されました。

Wine Spectator Learning Center(Sonoma State University)

参照元:sbe.sonoma.edu

015年ピーター・マイケル・ワイナリーはソノマ州立大学に30万ドルを寄付し、2018年5月29日にソノマ州立大学ワインスペクテーター・ラーニングセンターでピーター・マイケル・ワイナリー・エグゼクティブ・クラスルームが開設されました。

これは、ワイン業界に特化した財務と会計、生産と運用、販売とマーケティングが学べるカリキュラムで、ワインの国の中心に位置するソノマ州立大学のワインビジネス・インスティテュートは、世界で最も重要なワインビジネス教育プログラムの1つとして機能しています。

更に、ピーター・マイケル・ワイナリーはワイナリーに加えて、ロンドン郊外にあるワインをテーマにした高級ホテル「The Vineyard」を運営しています。レストランでは、ワインスペクテーターから受賞した3,000種類以上のワインリストを提供しています。

グラスワインも100種類以上あり、イギリスで最大のカリフォルニアワインリストを保有するホテルとなっています。

The Vineyard Hotel and Spa in Berkshire

参照元:winerist.com

また、ビジネスの枠を超えて慈善活動にも着手しています。前立腺がんの診断、治療に伴う画像技術の研究のためにピーター・マイケル財団を設立し、これまでに1,500万ドル以上の寄付を実現しています。

ピーター・マイケル・ワイナリーはヘレン・ターリー、マーク・オーベール、ヴァネッサ・ウォン、リュック・モレ、ニコラス・モレ等、ワイン業界で最も有名な実力派勢によって歴代のワインメーカーを担って来ました。この歴史を通じて「山のブドウ畑」「伝統的な製法」「限定生産」で「100%家族経営」「100年間」続けるという設立当初からのポリシーを現代でも貫き、ピーター・マイケルは今もなお現役でカリフォルニアワイン業界のトップの一員として走り続けています。

テイスティング・レポート

Ma Belle-Fille vs Mon Plaisir vs La Carriere 2014
2020年3月15日

Ma Belle-Fille vs Mon Plaisir vs La Carriere 2014
2014年のシャルドネ3種平行飲み比べ。

Ma Belle-Fille chardonnay 2014

熟した桃、黄リンゴ、洋ナシの香りが広がり、味わいは甘みがまろやかで苦味は穏やか。蜂蜜のニュアンスがありながらも貝殻のようなミネラル感もあり、酸味は長く続く。

Mon Plaisir chardonnay 2014

グレープフルーツ、パイナップル、レモンクリームの香りが広がり、味わいは甘みがまろやかで苦味はやや強め。バターのニュアンスがありながらも火打石のようなミネラル感もあり、酸味はシッカリとある。

La Carriere chardonnay 2014

パイナップルのニュアンスが強く、その中にヘーゼルナッツやアーモンドの香りが取れる。微かに蜂蜜やバニラの香りが取れるが強くはない。味わいは甘みがまろやかで苦味は穏やか。酸味が爽やか。

今回の3つの飲み比べではMon Plaisir chardonnay 2014が最もミネラル感が強く当編集部では高評価でした。

Belle Cote 2009
2020年3月15日

Belle Cote 2009
2009年になると外観の黄色味が濃くなり黄金色に近い印象。熟したパイナップルの中に微かにアーモンドのようなナッツ系のニュアンスが取れる。

味わいは甘みがまろやかで、苦味は控えめ。Ma Belle-Fille、Mon Plaisir、La Carriereと比べると最も酸味がやさしい。11年の熟成は飲み頃と言える。

Cuvee Indigene 2008 vs Point Rouge 2002
2020年3月15日

Cuvee Indigene 2008 vs Point Rouge 2002
いずれも各自社畑の厳選された樽のブレンド(Barrel Selection)で、ピーター・マイケル・ワイナリー・シャルドネの最上級クラス。

Cuvee Indigene chardonnay 2008

12年の熟成の影響もあり、ドライフルーツの香りの中にハッキリとしたヘーゼルナッツのニュアンスが取れる。味わいは甘みがまろやかで苦味はシッカリとしていてコクを与える。バニラのニュアンスが非常に強く、クリーミーさが際立つ。12年の熟成でまさに飲み頃といった印象。

Point Rouge chardonnay 2002

長期熟成を考慮してセレクト・ブレンドされたポイント・ルージュは密リンゴのニュアンスが非常に強く、微かに洋ナシ、パイナップルの香りがある。若干ココナッツのニュアンスも取れる。味わいは甘みがまろやかで苦味は穏やか。酸味は非常に上品で線が細く長続きする。18年の熟成はギリギリ飲み頃といった印象。もう少し若いと密リンゴのニュアンスが控えめになり全体的にエレガントになると推察。素晴らしい1本でした!

Le Caprice vs Ma Danseuse vs Clos du Ciel 2011年平行飲み比べ
2020年3月15日

Le Caprice vs Ma Danseuse vs Clos du Ciel 2011年平行飲み比べ
ピーター・マイケル・ワイナリーの自社畑ピノノワール3種同一ヴィンテージ飲み比べ。

Le Caprice

ラズベリー、ブルーベリーの香りの中に微かになめし革のニュアンスが取れる。開いてくると若干だが樽由来のバニラ香も取れてくる。味わいは甘みがまろやかで、苦味は穏やか。酸味は滑らか。

Clos du Ciel

ブラックベリー、ブラックチェリーの香りの中に若干ナッツやバニラのニュアンスが取れる。次になめし革のニュアンスも出始める。味わいは甘みがまろやかで、苦味は比較的シッカリしている。酸味は滑らか。

Ma Danseuse

ブルーベリー、カシスの香りが強い。味わいは甘みが3つの中で最も控えめ、苦味はまろやかだが酸味がシッカリとしているのが印象的。

当編集部では3つの自社畑ピノノワールの中でMa Danseuseの評価が最も高かった。

Moulin Rouge pinot noir 1999
2020年3月15日

Moulin Rouge pinot noir 1999
ピーター・マイケル・ワイナリー・ピノノワール第1号にして頂点に君臨するムーランルージュの21年熟成。

ブラックベリー、ブラックチェリー、オレンジの皮のような香りで始まり、微かにスパイシーでコーヒーのニュアンスが取れてくる。味わいは甘みがまろやかで苦味は穏やか。酸味は細長く続く見事なバランス。ピノノワールにしてまだ10年以上熟成しそうな印象。

ピーター・マイケル・ワイナリー・ピノノワールの中では別格のクオリティでした。当編集部ではカリフォルニア・ピノノワールの中でもトップクラスに入ると評価。

Les Pavots 2000
2020年3月15日

Les Pavots 2000
熟したブラックベリーの中にカベルネ・ソーヴィニョン特有の杉や針葉樹のニュアンスが若干取れる。次にコーヒー、カカオ、スパイス、タバコのニュアンスも取れてくる。

開いてくると樽から来るバニラ香が感じられる。味わいはアタックが強く、甘みはまろやかで酸味は滑らか。タンニンはシッカリ感じられる。

まだまだ数十年熟成しそうな印象を受ける。当編集部ではカリフォルニア・ボルドーブレンドの中でもトップクラスと評価。

Au Paradis 2011
2022年6月7日

Peter-Michael-Au-Paradis-2011
ソノマ産のLes Pavotsに対してAu Paradisはナパバレー産のボルドーブレンドで2011年がファーストヴィンテージ。今回は大変希少なファーストヴィンテージを入手。

ブラックベリーやブラックチェリーのような黒系果実のシッカリとした香りに甘草、クローブ、シナモンのニュアンスが取れる。また、モカや枯れ葉のニュアンスと若干のミントを感じ取れる。

味わいは甘みはまろやかで酸味は滑らか。タンニンはこのヴィンテージ(僅か11年の熟成)にして既に溶け込んでいる印象。

ソノマ産のLes Pavotsと比べるとパワフルでリッチな印象を受ける。

カリフォルニアワインについて

ABOUTこの記事の監修者

日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
カリフォルニアワイン協会認定資格 California Wine Certification Program Level 2

2011年よりカリフォルニアワインのバックヴィンテージを追求。 ナパバレー、ソノマに足を運び数多くの名門ワイナリーを訪問。 主に海外のワインオークションで希少なバックヴィンテージを調達。

監修者情報の詳細

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です