Mount Veeder Winery

マウント・ヴィーダー・ワイナリー(Mount Veeder Winery)

標高1,000~1,600フィートの霧の上、山の斜面に位置し、一貫してボルドーブレンドに拘るナパバレーで初めてボルドー5品種を栽培した先駆的なワイナリーMount Veeder Wineryマウント・ヴィーダー・ワイナリーの歴史と功績をご紹介します。

マウント・ヴィーダー・ワイナリーについて

Mount Veeder Wineryマウント・ヴィーダー・ワイナリーはナパバレーの南西、ナパとソノマの境にあるマヤカマス山脈の標高1,000~1,600フィートに位置しています。現在はMount Veeder AVAとしてアメリカのワイン栽培地域として認定されています。

ナパバレーのワイン産地

1964年にMichael BernsteinとArlene Bernstein夫妻は「マウント・ヴィーダーの40エーカーの土地でプルーン農園を!」というウォール・ストリート・ジャーナルの広告を目にしました。Michael Bernsteinはサンフランシスコの連邦取引委員会の仕事を辞め、別荘としてこの土地を購入しました。

ある時、近くに住んでいた農夫から60本のブドウの挿し木を貰った為、土に埋めて放置してみると58本がたくましく生き残りました。これを機に夫妻はブドウ畑を造りました。最終的にはブドウはボルドーの代表的な5品種(カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネフラン、マルベック、プティ・ヴェルド)が植えられました。マウント・ヴィーダー・ワイナリーの始まりです。ファーストヴィンテージは1973年のカベルネ・ソーヴィニョンでした。

度重なる所有権移転劇で迷走するマウント・ヴィーダー・ワイナリー

Franciscan Estate

Franciscan Estate

ところが1980年代に入るとマウント・ヴィーダー・ワイナリーのスタイルが人気を失いはじめ、Michael Bernsteinはスタイルを変えるのではなく売却という選択を取りました。そしてマイアミで不動産業を営んでいたHenry MathesonとLisille Matheson夫妻へマウント・ヴィーダー・ワイナリーを売却します。

新体制となったマウント・ヴィーダー・ワイナリーは1981年になるとワインメーカーにPeter Franusを迎え入れます。Peter Franusは1978年にフレズノ州立大学でブドウ栽培と醸造学を学び、いくつかのワイナリーで働いた後、マウント・ヴィーダー・ワイナリーのワインメーカーに就任しました。
※1987年に自身のブランドPeter Franus Wine Companyを立ち上げ、1992年にマウント・ヴィーダー・ワイナリーを退社します。

Franciscan Estate

Franciscan Estate

ところが新体制になってもワイナリー経営は上手くいきませんでした。1980年代半ばのマウント・ヴィーダー・ワイナリーが造るワインは評論家に嫌われ、Henry MathesonとLisille Matheson夫妻はワイナリーを売却するしかないと判断しました。そして1989年6月にマウント・ヴィーダー・ワイナリーを、1972年にオークビルで設立されたFranciscan Estateフランシスカン・エステートへ約260万ドルで売却します。

同じナパバレーでボルドー品種を扱うフランシスカン・エステートは、マウント・ヴィーダー・ワイナリーが所有する畑をフランシスカンの新たな供給源にする事で増強できると考えたのです。ワインメーカーのPeter Franusは残留し引き続きマウント・ヴィーダー・ワイナリーのワインを監督します。

息を吹き返し邁進するマウント・ヴィーダー・ワイナリー

Mount Veeder AVA

Mount Veeder AVA
参照元:napaman.com

フランシスカン・エステート下になってからはブドウ畑を更に50エーカー(現在のNorth Ranch)拡大し、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネフランを増殖し幅を広げます。

新体制でブドウ畑の増殖を実施すると、1987年ヴィンテージのカベルネ・ソーヴィニョンのリリースを皮切りにマウント・ヴィーダー・ワイナリーは再び高い評価を集め息を吹き返します。

1990年になるとMount Veederの地がAmerican Viticultural Area (AVA)に認定されアメリカの正式なブドウ栽培地域となりました。新体制下におけるマウント・ヴィーダー・ワイナリーは正に絶好調でした。

保有・管理する畑

ブドウ畑は岩の多い斜面の上にある為、トラクターなどの農機具は殆ど使用できず、作業は事実上全てが手作業で行われます。標高が高く火山性土壌のブドウ畑は冷涼だが、霧線より上にある為、谷底のブドウ畑よりも多く太陽を浴びる事が出来ます。

これにより深い凝縮感のあるフレーバーとソフトなタンニンを生み出します。また、畑は3つの大きな区画に分かれており、Winery Ranch、North Ranch、Rosenquist Ranchと名付けられています。以下にその詳細をご紹介します。

3 ranches

3 ranches
参照元:mtveeder.com

Winery Ranch
1960年代に創業者であるMichael BernsteinとArlene Bernstein夫妻が初めてブドウの木を植えた区画です。
North Ranch
サンフランシスコ湾を臨む山の頂上に位置している為ブドウ畑にあらゆる露出を造り出します。
Rosenquist Ranch
3つの区画の内最も標高が高い為、独特の険しい生育条件が生まれ、結果として高品質なブドウの収穫を実現します。

近年のマウント・ヴィーダー・ワイナリー

1999年に世界有数のプレミアムワイン会社Constellation Brandsの傘下となったマウント・ヴィーダー・ワイナリーは2000年代以降、徐々に評判を上げていきました。そして、2015年にワインメーカーとしてNiki Williamsを迎え入れ、戦力を強化しました。Niki Williamsは2012年にカリフォルニア大学デービス校で学位を取得しFranciscan EstatesとL’Avenir Wine Estateで経験を積みます。

2013年にはMerryvale Family of Winesでワインメーカーを務め、2015年にマウント・ヴィーダー・ワイナリーでシニアワインメーカーに就任します。現在、マウント・ヴィーダー・ワイナリーはNiki Williams主導の元、その独特のテロワールを反映したワイン造りで世界中の注目を集めています。

Niki Williams

Niki Williams
参照元:winespectator.com

ワインテイスティングレポート

Mount Veeder Reserve Red 1991
2020年12月12日

Mount Veeder Reserve Red 1991

マウント・ヴィーダー・ワイナリーのエステート(自社畑)で収穫されたボルドー5品種で造られるこのワインは、敷地内で最も古い樹齢のブドウの木から特に濃縮されたブドウを厳選して少量ずつ収穫して造られるプレミアムワインです。

ブラックチェリーや熟したプラムの香りがあり、カベルネ・ソーヴィニョン特有の杉のニュアンスが強く出ている。モカや枯れ葉、葉巻のニュアンスも取れる。味わいは甘さ控え目で酸味が比較的シッカリとしており、収斂性のある強いタンニンが特徴的でした。超玄人向けカベルネ・ソーヴィニョンといった印象で個人的には好みです。

カリフォルニアワインについて

ABOUTこの記事の監修者

日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
2011年よりカリフォルニアワインのバックヴィンテージを追求。 ナパバレー、ソノマに足を運び数多くの名門ワイナリーを訪問。 主に海外のワインオークションで希少なバックヴィンテージを調達。

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