Hundred Acre

ハンドレッド・エーカー(Hundred Acre)

一切の妥協を許さず完璧なワイン造りの為には何でもする「異端者」で「天才」と呼ばれるJayson Woodbridgeがナパバレーのセントヘレナに設立したウルトラ・プレミアム・ワイナリーHundred Acreハンドレッド・エーカーの歴史と功績をご紹介します。貴重なバックヴィンテージのワインテイスティングレポートもあわせてお届けします。

ハンドレッド・エーカーについて

Jayson Woodbridge

Jayson Woodbridge
参照元:thedrinksbusiness.com

1998年にカナダ出身の証券マンJayson Woodbridgeがハウエルマウンテンにある3.6ヘクタールのKayli Morgan Vineyardを購入し、2000年にカベルネ・ソーヴィニョンをリリースしました。

これがハンドレッド・エーカーの始まりです。名前の由来はくまのプーさんとその仲間たちが住んでいた森Hundred Acre Woodに由来しています。更にJayson Woodbridgeは6ヘクタールのArk Vineyardと2ヘクタールの立地条件の良い丘陵地を購入し幅を広げます。

目標はカリフォルニアの粘土質土壌からフランス・ボルドー地方「右岸」スタイルのカベルネ・ソーヴィニョンを造り出す事でした。

Kalyi Morgan Vineyard

Kalyi Morgan Vineyard
参照元:wine.com

異端者で天才と呼ばれたJayson Woodbridgeのワイン造りは一切の妥協を許さず全てが徹底していました。

1本のブドウの木につき1房のみが許されている為、剪定は非常に広範囲に行われ、収量は非常に少ないという特徴があります。

収穫時期には最低でも5回は畑に出向き、全てのブドウを手作業で選別しています。
また、木目がシッカリした拘りのフレンチオーク(新樽)を使用して少なくとも24ヶ月間ワインを熟成させています(特別なキュヴェの中には36~42ヶ月熟成させるものもあります!)。

ハンドレッド・エーカーのブドウ畑にはマイクロミスターが設置されており、瞬時に水分が蒸発することで極細の水滴を作り出し、ブドウに水をやることなく土地を効果的に空調します。ワイナリーには無菌状態に保つ為のNASAグレードのエアフィルターも完備されています。こうして出来上がったワインの瓶の縁には24Kのゴールドが焼成されています。このゴールドバンドはハンドレッド・エーカーを購入してくれた顧客との絆であるとJayson Woodbridgeは説明します。

最高のワインを造る為には何でもする。これがハンドレッド・エーカーのポリシーでした。

次のステージへと進むJayson Woodbridge

2004年になるとJayson Woodbridgeはオーストラリア・バロッサバレーでシラーズを使った素晴らしいワインを生産する新しいプロジェクトAncient Way Vineyard in Barossa Valleyを開始します。このシラーズはフレンチオークの新樽で2年間熟成させた後、更にフレンチオーク樽で2年間澱引きさせ、瓶詰後1年間熟成させてリリースされる究極のシングルヴィンヤード・シラーズです。

Philippe Melka

Philippe Melka
参照元:adamvs.com

2008年になるとワインメーカーにPhilippe Melkaを迎え入れます。Philippe Melkaはフランス・ボルドー地方で生まれ育ち、1989年にボルドー大学で地質学の学位を取得して卒業し、1991年には農学とブドウ畑の土壌を専門とするエノロジーの2つ目の学位を取得しました。

その後、フランスのChateau Haut-Brion、Chateau Petrus、イタリアのBadia a Coltibuono、オーストラリアのChittering Estate、カリフォルニアのDominus EstateRidge Vineyardsで経験を積み、90年代にナパバレーへ移住。ロバートパーカー監修ワインアドヴォケイト誌が選ぶ世界のトップ9ワインコンサルタントの1人に選ばれたPhilippe Melkaのポリシーは「テロワールを通して畑の声を聞く」というものでした。

Jayson Woodbridge率いるハンドレッド・エーカーの勢いは止まりません。

ハンドレッド・エーカーが残した数々の功績

一切の妥協を許さないJayson Woodbridgeが造り出すハンドレッド・エーカーのワインはロバートパーカー監修ワインアドヴォケイト誌の評価でこれまでに20回の100点満点を獲得するという偉業を成し遂げています。
以下がパーフェクトの評価を獲得したワインの詳細です。

Vineyard Vintage
Ark Vineyard 2015
Few and Far Between 2015
Kayli Morgan Vineyard 2015
Wraith 2015
Wraith 2014
Ark Vineyard 2013
Few and Far Between 2013
Kayli Morgan Vineyard 2013
Kayli Morgan Vineyard Deep Time 2013
Wraith 2013
Ark Vineyard 2012
Few and Far Between 2012
Ark Vineyard 2007
Kayli Morgan Vineyard 2007
Fortification 2007
Precious 2006
Ark Vineyard 2005
Kayli Morgan Vineyard 2005
Fortification 2005
Kayli Morgan Vineyard 2002

主なリリースワイン一覧

以下にハンドレッド・エーカーがリリースする主なワインの詳細をご紹介します。

Kayli Morgan Vineyard
かつて川床であった約9エーカーのこの場所はハウエルマウンテンの麓、セントヘレナの北に位置し、土壌は粘土質が強く、独特のミネラル感と柔らかさを与えます。最初のカイリ・モーガン・ヴィンヤード・カベルネ・ソーヴィニョンは2000年にリリースされました。
Ark Vineyard
セントヘレナのすぐ外側、ハウエルマウンテンの麓に位置し約13エーカーの殆どが火山性土壌で、急な斜面になっています。最初のアーク・ヴィンヤード・カベルネ・ソーヴィニョンは2005年にリリースされました。
Few and Far Between Vineyard
かつてはPickett Road Vineyardとして知られており、歴史あるEisele Vineyardの近くにある砂利質、粘土質土壌の約5エーカーの敷地から造られたボルドーブレンドでKayli Morgan VineyardとArk Vineyardそれぞれの要素を併せ持ちます。最初のフュー・アンド・ファー・ビトウィーン・ヴィンヤード・カベルネ・ソーヴィニョンは2008年にリリースされました。

この他にハンドレッド・エーカーが所有する3つの単一畑(Kayli Morgan Vineyard、Ark Vineyard、Few and Far Between Vineyard)全てのブレンドで造るWraithレイス、各3つの単一畑のオーク熟成(36~42ヶ月)を長くしたDeep Timeディープ・タイム、房ごとではなくブドウごとに厳選して収穫されたカベルネ・ソーヴィニョンで造られるPreciousプレシャス、酒精強化ワインのFortificationフォーティフィケーションがあります。

近年のハンドレッド・エーカー

2016年になるとHundred Acre Wine Groupは、販売およびマーケティングチームの構造における重要な変更を発表しました。更に2018年になると2007年にGeneral Managerとして入社したJohn HardestyがCEOに就任し新体制で再始動します。そして、2020年4月30日Bordeaux Liquid Gold LLCと新たにパートナーシップを締結する事でマレーシアでのハンドレッド・エーカー・ワインの流通拡大を図る事を発表しました。

Bordeaux Liquid Gold LLCはChateau Petrus、Chateau Lafleur Pomerol、Billecart Salmon等名だたるワイナリーを扱う老舗販売商社です。

現在、Hundred Acre Wine Groupはカリフォルニア、スペイン、イタリア、オーストラリア、アルゼンチンからのワインをより日常的な価格で提供しているLayer Cakeや、ナパとソノマから供給されたピノノワール、シャルドネを取り扱うCherry PieCherry Tartも所有しています。また、Fortunate Sonというブランド名でもカベルネ・ソーヴィニョンをリリースしています。

Jayson Woodbridgeはワインの魅力に取り憑かれた経緯を次のように語っています。

「私が5歳位の時に祖父が小さなグラスにワインを注いでくれるようになりました。
そして私に、ワインは人生の一部であり、家族の一部であり、必要不可欠で神聖なものだと教えてくれました。ワインへの好奇心が芽生えた私は10代の頃、友人とアルバイトで稼いだお金を使ってワインショップに行き、出来る限りのワインを試しました。証券マンになってからは事実上無制限の予算があったので多くのワインを試す事が出来ました。私はワインに恋をしました。ワインの魔法を見たのです。」

全ての樽を味わい、頭の中でブレンドし、類稀な才能で究極のワインを造り出すJayson Woodbridgeの躍進劇はまだまだ続くでしょう。

Jayson Woodbridge

Jayson Woodbridge
参照元:read-a.com

ワインテイスティングレポート

Kayli Morgan Vineyard 2009 vs Ark Vineyard 2008
2021年5月7日

Hundred Acre Kayli Morgan Vineyard 2009 vs Ark Vineyard 2008

Hundred Acre Kayli Morgan Vineyard 2009

ブラックベリーやブラックチェリーのような黒系果実の香りと樽由来のバニリンのニュアンスも感じ取れる。スパイシーでチョコやバラ、ブラックカラントのニュアンスも感じ取れる。味わいは甘みは比較的まろやか。酸味は線が細いがシッカリと感じられる。タンニンは非常にシルキーで心地良い。一つ一つの要素が上質で別次元の仕上がりとなっている。素晴らしい!

Hundred Acre Ark Vineyard 2008

ブラックチェリーや干しプラムの香りと甘草やスミレのニュアンスが感じ取れる。タバコやモカのニュアンスも取れる。味わいはKayli Morganと比べると甘みはシッカリと感じられ、酸味はやや控えめ。タンニンはやや収斂性がある。こちらも樽由来のバニリンのニュアンスが感じ取れました。

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カリフォルニアワインについて

ABOUTこの記事の監修者

日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
2011年よりカリフォルニアワインのバックヴィンテージを追求。 ナパバレー、ソノマに足を運び数多くの名門ワイナリーを訪問。 主に海外のワインオークションで希少なバックヴィンテージを調達。

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