Beringer Vineyards(ベリンジャー・ヴィンヤーズ)

1875年にドイツからの移民Jacob Beringerと兄Frederick BeringerがSt Helenaで設立したカリフォルニア・ナパバレー最古のワイナリーの1つBeringer Vineyardsベリンジャー・ヴィンヤーズの歴史と栄光の軌跡をご紹介します。希少なバックヴィンテージのワインテイスティングレポートもあわせてお届けします。

ベリンジャー・ヴィンヤーズの歴史

Jacob Beringer,Frederick Beringer

左:Jacob Beringer 右:Frederick Beringer
参照元:beringer.com

ナパバレーで最も歴史あるワイナリーの1つBeringer Vineyardsベリンジャー・ヴィンヤーズはドイツからの移民Jacob Beringerと兄Frederick Beringerによって1875年にセントヘレナに215エーカーの土地を購入した事から始まりました。ベリンジャー兄弟はドイツでワイン造りを学び、ニューヨークに移住しました。

ナパバレーに到着したJacob Beringerは1878年までチャールズ・クリュッグ・ワイナリーで修業し、そこでワインビジネスについて学びました。1884年になると兄Frederick Beringerが本格的にベリンジャー・ヴィンヤーズに参画します。1920年の禁酒法時代に入ると生産は止まりますが禁酒法時代が明ける1933年には即座にワイナリーの稼働が再開します。

家族経営で代々引き継がれてきたベリンジャー・ヴィンヤーズは1960年代にナイツバレーの広大な土地を購入するまで順調でした。

この頃にはベリンジャー・ヴィンヤーズは600エーカー以上のブドウ畑を所有するまでに成長していました。1971年になるとベリンジャー・ヴィンヤーズはスイスの大手食品・飲料会社Nestleネスレにワイナリーを売却します。
※Fred BeringerとCathy Beringerは売却資金でセントヘレナのダウンタウンにあるワインショップ「The Bottle Shop」を購入し現在も運営しています。

Beringer Nightingale Private Reserve 1980

Beringer Nightingale Private Reserve 1980
参照元:winebid.com

Nestleネスレ社はベテランのワインメーカーMyron Nightingale氏を雇い、古いワイナリーを一掃しベリンジャー・ヴィンヤーズを一新しました。

1980年になるとMyron Nightingaleはフランス・ソーテルヌスタイルの甘口デザートワインBeringer Nightingaleを開発します。

1984年にはMyron Nightingaleが引退しEd Sbragiaがチーフワインメーカーに就任します。1996年になるとNestle社は投資会社Texas Pacific Groupと元ベリンジャー社長率いる食品会社Silverado Partnersにベリンジャー・ヴィンヤーズを売却します。

2000年にはオーストラリア最大の醸造会社Foster’s Brewing Groupの子会社でワイン、ブランデー、スピリッツの製造を手掛けるMildara Blassがベリンジャー・ヴィンヤーズを購入。これに伴いベリンジャー・ヴィンヤーズはベリンジャー・ブラス(Beringer Blass)に改名しました。そして2003年1月1日から日本の飲料会社サッポロがベリンジャー・ヴィンヤーズと販売契約を締結します。

このようにベリンジャー・ヴィンヤーズは1971年に売却されて以来、目まぐるしく所有者が変わるといった運命を辿っています。
Foster’s Brewing Groupに買収される前は高収益を上げていたベリンジャー・ヴィンヤーズですが、この後も所有権移転劇は続き、経営が悪化していきます。

2011年になるとFoster’s Brewing Groupはワイン事業を分離しTreasury Wine Estatesを設立するも世界最大規模の飲料会社SABMillerに買収されます。更に2016年には世界50カ国以上に製造拠点を持つ酒類メーカーAnheuser-Busch InBev N.V.がSABMillerの全株式を取得しSABMiller社は法人としての機能を停止。Foster’s Brewing GroupはAnheuser-Busch InBev N.V.の直接子会社となりました。

結局2000年のBeringer Blassへの所有権移転以来、ベリンジャー・ヴィンヤーズはBeringer Blass傘下のまま運営されています。※以降の所有権移転劇は親会社が変わっているだけ
今やどこでも見かける程、流通しているベリンジャー・ヴィンヤーズには複雑な歴史があったのです。

ベリンジャー・ヴィンヤーズが獲得した数々の栄誉

wine of the year 1996

wine of the year 1996
参照元:winespectator.com

今や世界的に影響力を持つアメリカのワイン専門雑誌Wine Spectator(ワインスペクテーター)は毎年ワインを品質、価値、入手可能性、感動の点から調査・評価した上でその年の年間TOP100ワインを決定しています。

1990年にBERINGER Cabernet Sauvignon Napa Valley Private Reserve 1986がその年のナンバー1ワイン(Wine of the year)に選ばれました。更に、1996年のWine of the yearにはBeringer Chardonnay Napa Valley Private Reserve 1994が選ばれました。

これは白ワインでは世界初となる快挙となります。これにより、ベリンジャー・ヴィンヤーズでは赤白の両方でWine of the yearを獲得したワイナリーとなります。

所有・管理する畑一覧

Knights ValleyナイツバレーAVA

ベリンジャー・ヴィンヤーズでは1960年代にソノマ郡の北東に位置するKnights Valleyナイツバレーに畑を所有しています。この土地は火山性の水はけの良い土壌が特徴で1983年にAVA(American Viticultural Area)に認定されました。高品質なカベルネ・ソーヴィニヨンとソーヴィニヨンブランが栽培されます。

Saint HelenaセントヘレナAVA

Bale Lane Vineyardベールレーンヴィンヤード
ナパバレーの暖かいミッドバレーエリアに位置するBale Laneの水はけの良い土壌は、優れたフレーバーのソーヴィニヨンブランとセミヨンを生み出します。
Chabot Vineyardシャボットヴィンヤード
黒曜石を積んだChabot Vineyardシャボットヴィンヤードは、ナパバレーの東斜面にあります。シャボットのブドウの木は、色が濃く、風味が豊かで、ミントを思わせる最高のカベルネ・ソーヴィニヨンを生み出します。この地で栽培されるカベルネ・ソーヴィニョンはプライベート・リザーブとして最初に瓶詰めされました。
Saint Helena Home Vineyardセントヘレナホームヴィンヤード
このブドウ園は、1875年に購入した元の215エーカーのジェイコブベリンジャーの一部でした。この48エーカーのブドウ園の傾斜した堆積土壌に植えられたカベルネ・ソーヴィニヨンは、1982年以来プライベートリザーブ・カベルネ・ソーヴィニヨンの重要な構成要素となっています。

Howell MountainハウエルマウンテンAVA

Bancroft Ranch Vineyardバンクロフトランチヴィンヤード
この美しい山岳地帯のブドウ畑は標高1800フィートに位置し、岩の多い土壌からはパワフルなカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネフランが収穫され、プライベートリザーブ・カベルネ・ソーヴィニヨンで使用されています。
Stein Hauer Ranchスタインハウアーランチ
ハウエルマウンテンの標高1800フィートに位置し、霧の上に有る為、涼しい山の気温と高い日照量から高品質なカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネフランを造りだします。ブドウ畑はベリンジャー・ヴィンヤーズの長年のマネージャーであるBob Steinhauerに因んで名付けられました。
Vogt Vineyardヴォクト・ヴィンヤード
標高1600フィートに位置するこの畑は火山性の土壌から力強いカベルネ・ソーヴィニョンが栽培されます。2009年からプライベートリザーブ・カベルネ・ソーヴィニョンに使用されるようになりました。

その他のナパAVA

ベリンジャー・ヴィンヤーズが保有・管理する畑は上記の他にもオークビルのGAMBLE RANCH VINEYARD、オークノールのBIG RANCH ROAD VINEYARD、マウントヴィーダーのLAMPYRIDAE VINEYARD、スプリングマウンテンのMARSTON RANCH VINEYARD、カーネロスのSTANLY RANCH VINEYARD、ヨントビルのYOUNTVILLE VINEYARDがあります。

Beringer Vineyradsベリンジャー・ヴィンヤーズでおすすめのワイン5選

ベリンジャー・プライベート・リザーブ・カベルネ・ソーヴィニヨン
Beringer Cabernet Sauvignon Private Reserve

Beringer Cabernet Sauvignon Private
参照元:beringer.com

1977年にはじめて造られたPrivate Reserve はヨントビルのステート・レーン・ヴィンヤード、スプリングマウンテンの低斜面にあるホーム・ランチ、セントヘレナの東側にあるシャボット、ハウエルマウンテンのバンクロフト・ランチの厳選したブドウを使用して造られます。

このBeringer Cabernet Sauvignon Private Reserveはロバートパーカー監修ワインアドヴォケイト誌にて1994、2001、2007、2013のヴィンテージが97点という高得点を獲得しています。

ベリンジャー・バンクロフト・ランチ・ハウエルマウンテン・ルロー
Beringer Bancroft Ranch Howell Mountain Merlot

Beringer Bancroft Ranch Howell Mountain Merlot
参照元:beringer.com

1986年から提携しているこの畑はハウエルマウンテンの標高1,800フィートにある89エーカーの畑で、もともと1982年にバンクロフト家によって植えられました。

このBeringer Bancroft Ranch Howell Mountain Merlotはバンクロフト・ランチをはじめとするベリンジャー・ヴィンヤーズのポートフォリオの中の最高のロットから造られています。

ベリンジャー・プライベート・リザーブ・シャルドネ
Beringer Private Reserve Chardonnay

Beringer Private Reserve Chardonnay
参照元:beringer.com

1978年からリリースされているプライベート・リザーヴ・シャルドネはベリンジャーが所有・管理する最北端の畑Gamble Ranchから供給されたブドウを使用しています。

朝の霧とサンパブロ湾からの冷たい風が上品な酸味を持つ高品質なシャルドネを生み出します。1978年から造られているこのシャルドネはWine Spectatorが選出するWine Of The Yearを受賞しています。

ベリンジャー・ファウンダーズ・エステート・ピノノワール
Beringer Founders Estate Pinot Noir

Beringer Founders Estate Pinot Noir
参照元:crownwineandspirits.com

ファウンダーズ・エステートシリーズは創設者(ファウンダー)ベリンジャー兄弟に敬意を表して開発されたシリーズです。

抜栓後すぐに楽しめるように設計されたこのシリーズのワインは果実味と酸味の絶妙なバランスが特徴です。

California Delta全域の厳選されたブドウ畑から集められたピノノワールで造られます。日中は日照量が多く夜間は冷涼なこの地域からは酸味と熟度の理想的なバランスを有したワインを実現します。

ベリンジャー・カリフォルニア・ホワイト・ジンファンデル
Beringer White Zinfandel

Beringer White Zinfandel
参照元:legacylr.com

黒ブドウであるジンファンデルを白ワインの醸造法と同じようにブドウを圧搾したジュースを発酵させて造られます。よって、黒ブドウを使っていても白ブドウとの中間色のような淡いピンクのロゼワインに仕上がります。
※ジンファンデルの果皮は3時間だけ漬け込まれる為、若干のピンク色になります。

この製法からラズベリーやライチのような明るい味わいのワインとなりリーズナブルな点と合わせて非常に人気のラインナップとなっています。

セブンイレブンで買える!

2019年よりセブン&アイ・ホールディングスはアメリカ及びオーストラリアの名門ワイナリーとコラボしたセブンプレミアムのワイン5種を発売しました。価格は全て880円(税込950円)と非常にリーズナブルです。
ラインナップはカリフォルニアからRobert Mondavi Winery(ロバート・モンダヴィ・ワイナリー)、Beringer Vineyardsベリンジャー・ヴィンヤーズ、南オーストラリア州のワイン名産地バロッサ・バレーからWolf Blass Winesウルフ・ブラス・ワインズの3ワイナリー5種となります。

Beringer Vineyardsベリンジャー・ヴィンヤーズからは以下の2種が発売されています。価格は全て880円(税込950円)均一と非常にリーズナブル。

セブンプレミアムワイン5種

セブンプレミアムワイン5種
参照元:7andi.com

ベリンジャー コメモラティブ・コレクション メルロー 750ml(赤)

品種は黒ブドウのメルロー。濃縮した色合いで一見パワフルな印象があるがやわらかくて丸みを帯びたふくよかな味わいが特徴の品種です。

シッカリと脂がのった肉料理よりもあっさりした肉料理全般に合わせると良い場合が多いです。酢豚、焼き鳥(タレ)、唐揚げ、すき焼き 等。

ベリンジャー コメモラティブ・コレクション ピノ・グリージョ 750ml(白)

品種は白ブドウのピノ・グリージョ。洋ナシやハチミツのような華やかな香りがありながら上品な酸が続くのが特徴の品種です。

豚肉や鴨肉のようなライトな肉に合いますが、酸によるミネラル感があるので魚介料理にもピッタリです。中華料理やエスニック料理と合わせても抜群の万能タイプの品種です。

Beringer Vineyardsベリンジャー・ヴィンヤーズのクオリティで且つメルロー、ピノ・グリージョといった幅広く料理に合わせられる品種のワインが近くのセブンイレブンで880円(税込950円)で買えるのは非常にうれしいですね!

ワインテイスティングレポート

Beringer Chardonnay Private Reserve 2017 vs Napa Valley 2017 vs Fouder’s Estate 2017
2020年10月12日

Beringer Chardonnay Private Reserve 2017 vs Napa Valley 2017 vs Fouder's Estate 2017

シャルドネ・プライベート・リザーブ 2017

パイナップルやマンゴーのような香りの中にヘーゼルナッツのニュアンスが取れる。味わいは思いの外甘さは強くなくソフトで酸味はシッカリとしていて爽やか。苦味は非常に穏やかな印象。香りの華やかさからは想像できないようなエレガントな味わいでした。

シャルドネ・ナパバレー 2017

洋ナシのような香りの中に蜂蜜やヴァニラのニュアンスが取れる。味わいは思いの外甘さは強くなくソフトで酸味はシッカリとしていて爽やか。苦味は非常に穏やかな印象。

こちらもプライベート・リザーブ同様思いの外エレガントな印象だがプライベート・リザーブの方が味わいがリッチでした。

シャルドネ・ファウンダース・エステート 2017

トロピカルフルーツやパッションフルーツの中に若干の貝殻や石灰のニュアンスがある。味わいは思いの外甘さは強くなくソフトで酸味はシッカリとしていて爽やか。苦味は非常に穏やかな印象。

今回3つのシャルドネをテイスティングした中で共通していたのがどれも甘過ぎず酸がエレガントであるという点。これに加えてプライベート・リザーブは非常にリッチでファウンダーズ・エステートは非常にミネラリーという特徴がありました。価格比は5:3:2位ですがどれも優劣をつけるのが難しい位完成度が高いワインでした。

Beringer Cabernet Sauvignon Private Reserve 1993 vs Knights Valley 2016 vs Fouder’s Estate 2018
2020年10月12日

Beringer Cabernet Sauvignon Private Reserve 1993 vs Knights Valley 2016 vs Fouder's Estate 2018

カベルネ・ソーヴィニヨン・プライベート・リザーブ 1993

ブラックベリーやブラックチェリーのような濃縮した黒系果実の香りがあり、杉や針葉樹、林床といった植物的なニュアンスもはっきり取れる。また、ややスモーキーで黒スグリの香りが際立つ。味わいは甘みは控えめでソフト。酸味は比較的シッカリとしておりタンニンはこのヴィンテージでもハッキリと感じられ収斂性がある。

カベルネ・ソーヴィニヨン・ナイツ・バレー 2016

カベルネ・ソーヴィニョン88%、カベルネフラン5%、メルロー5%、プチ・ヴェルド2%をブレンドしたこのワインはブラックチェリーののような甘い濃縮感のある香りの中にコーヒーやシナモンのニュアンスが取れる。味わいは甘みは豊かで酸味には円みがある。タンニンはシッカリとしており収斂性がある。これぞナパバレーのカベルネ!といった印象で「甘くて濃い」ワイン。

カベルネ・ソーヴィニヨン・ファウンダース・エステート 2018

色合いが他の2つに比べて圧倒的に明るく、香りはラズベリーやカシスのような赤系果実寄り。赤スグリのような明るい印象も取れる。味わいは甘さは控えめでソフト。酸味は比較的シッカリとしておりタンニンは強くはないがカベルネ・ソーヴィニョン特有の収斂性のある渋み。

3つのテイスティングを通してカベルネ・ソーヴィニヨン・プライベート・リザーブ 1993は熟成している事もありダントツのクオリティ。印象的だったのはカベルネ・ソーヴィニヨン・ファウンダース・エステート 2018が非常にバランスが良くとても1000円台で買えるワインとは思えぬ出来栄えだった事です。

ベリンジャー・ヴィンヤーズは1000円台からどこでも購入出来てこのクオリティを発揮するのは素晴らしいとしか言いようがないですね。

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カリフォルニアワインについて

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