Spring Mountain Vineyard(スプリング・マウンテン・ヴィンヤード)

スプリング・マウンテン・ヴィンヤード(Spring Mountain Vineyard)

4つの独立したワイナリーが統合されて造られ、パリテイスティングで大活躍した歴史あるセントヘレナの名門ワイナリー「Spring Mountain Vineyardスプリング・マウンテン・ヴィンヤード」の辿った栄光の軌跡をご紹介します。貴重なバックヴィンテージのワインテイスティングレポートもあわせてお届けします。

スプリング・マウンテン・ヴィンヤードについて

Knight Michael Robbins

Knight Michael Robbins
参照元:napavalleyregister.com

スプリング・マウンテン・ヴィンヤードの歴史は創業者のKnight Michael Robbinsがスプリング・マウンテンに最初の土地を購入し、シャルドネとカベルネ・ソーヴィニョンを栽培した1962年に遡ります。Knight Michael Robbinsはロサンゼルスとサンフランシスコで不動産業を営んでいました。

セントヘレナの町の北側にある1878年に建てられた古いヴィクトリア様式の家と丘陵地を購入しスプリング・マウンテン・ヴィンヤードを設立。当初は主にリースリングとジンファンデルを自宅の地下で醸造しており、販売はしていませんでした。

スプリング・マウンテン・ヴィンヤードの名前はかつてフリーマークアビーのセカンドラベルとして使用されていました。Knight Michael Robbinsはフリーマークアビーを買収しようとしましたが失敗に終わった為、「スプリング・マウンテン・ヴィンヤード」という名前の権利のみを買い取りました。

Spring Mountain Vineyard Chardonnay 1973
スプリング・マウンテン・ヴィンヤードの最初の商用ヴィンテージは1971年にハイツ・セラーズのジョー・ハイツから購入した樽で熟成させた1968年と1969年のカベルネ・ソーヴィニョンを使用したノン・ヴィンテージのカベルネ・ソーヴィニョンでした。

更に1976年になると米仏ブラインドテイスティング対決としてワインの歴史を変えた大事件「パリテイスティング」ではSpring Mountain Vineyard Chardonnay 1973がBatard Montrachet Ramonet 1973やPuligny Montrachet Les Pucelles Leflaive 1972、Beaune Clos des Mouche Joseph Drouhin 1973を抑えて4位に入賞し一気にその名を世界に知らしめました。

以下がパリテイスティングにおける白ワイン部門の順位詳細です。

パリテイスティング(1976年)
1位.(米) Chateau Montelena 1973
2位.(仏) Meurault Charmes Roulot 1973
3位.(米) Chalone Vineyards 1974
4位.(米) Spring Mountain 1973
5位.(仏) Beaune Clos des Mouche Joseph Drouhin 1973
6位.(米) Freemark Abbey 1972
7位.(仏) Batard Montrachet Ramonet 1973
8位.(仏) Puligny Montrachet Les Pucelles Leflaive 1972
9位.(米) Veedercrest 1972
10位.(米) David Bruce 1973

4つのワイナリーがスプリング・マウンテン・ヴィンヤードに統合

Jacqui Safra

Jacqui Safra
参照元:goldmedalwineclub.com

1992年になるとスイス・ジュネーヴ出身の投資家Jacqui Safraがスプリング・マウンテン・ヴィンヤードを買収します。

1992年10月Jacqui SafraはかつてMiravalleという名で機能していたワイナリー跡地を取得しました。1974年にスプリング・マウンテン・ヴィンヤードが買収したこの敷地にはヴィクトリア様式の邸宅、ブドウ畑、カーヴ、オリーブの木が含まれていました。

更に1993年には隣接する2つのワイナリーを買収します。1つはChateau Chevalierです。

1800年代後半に設立されたこの歴史あるワイナリーは1980年初頭にファーニエンテ・ワイナリーのオーナーJohnとGil Nickelに買収されました。

もう1つは小さくて近代的な30エーカーの敷地にあるStreblow Vineyardsです。そして1996年に1874年に設立された歴史あるLa Perla Wineryを買収します。

La Perla WineryはベイエリアのデベロッパーであるJerome Draperがかつて所有していた事から後にDraper Vineyardsと呼ばれるようになります。こうしてJacqui Safraが隣接する4つのワイナリーを統合して新たなスプリング・マウンテン・ヴィンヤードが始動したのです。

左:La Perla 中:Miravalle 右:Chevalier
参照元:goldmedalwineclub.com

主なリリースワイン

スプリング・マウンテン・ヴィンヤードンの敷地はベリンジャー・ヴィンヤーズのすぐ西側にあり、谷底付近からマヤカマス山脈の上流まで広がっています。

ナパバレーでこれほど多様な標高差を持つワイナリーは殆どありません。それゆえ、土壌の種類や生育条件の多様性を提供しています。

標高の高い所では土壌は火山性で、標高が下がるにつれて粘土質ロームと粘土の割合が増えていきます。この恵まれたテロワールからこれまでリリースされてきた主なワインの詳細をご紹介します。
※過去にシラーを生産していた時期もありました。

Estate Cabernet Sauvignon
カベルネ・ソーヴィニョンを主体とし、少量のカベルネフランやメルローをブレンドしたフラッグシップワイン。各畑の特性を考慮して各最高品質のロットを選定、細心の注意を払ってブレンドします。以前は同様に各畑のブレンドからReserveも生産されていました。
Elivette
カベルネ・ソーヴィニョンが主体ではあるものの、Estate Cabernet Sauvignonよりは比率が低く、カベルネフラン、プティヴェルド、メルロー、マルベックをブレンドしたボルドースタイルのワイン。各畑の各品種で造られた樽の中から特にエレガントな仕上がりのワインのみをブレンドした最高傑作です。
Syrah
自社畑Miravalleの中の日当たりの良い4エーカーの区画で収穫されたシラーで造られるこのワインは若干のヴィオニエをブレンドする場合があります。1995年がファーストヴィンテージですが商用リリースは1997年から。現在は生産されていません。
Sauvignon Blanc
ソーヴィニョンブランはLa PerlaとMiravalleの畑で栽培されており、1993年がファーストヴィンテージ。特にMiravalleはエステートの中でも最も温暖なエリアで、完熟したソーヴィニョンブランが収穫されます。
Spring Mountain Vineyard Chardonnay
La PerlaとChevalierで収穫されたシャルドネで造られるこのワインは1976年のパリテイスティング以降、赤ワインに注力する為、生産中止となっており2008年ヴィンテージから復活しました。

近年のスプリング・マウンテン・ヴィンヤード

2020年9月27日の日曜日の朝、North Fork Crystal Springs Road上部で火災が発生しました。

火災は急速に広がりマヤカマス山脈にまで及びました。これにより、スプリング・マウンテン・ヴィンヤードを含む20近くのワイナリーが甚大な被害を受けました。

敷地内に住むブドウ畑のマネージャーを務めるRon Rosenbrandが地元の消防署と協力し、辛うじてMiravalle邸と敷地の下層部を守る事は出来ましたがRon Rosenbrandの家をはじめ数々の歴史的建造物は消失してしまいました。この年の収穫は煙害の影響で断念せざるを得なくなってしまいましたが、懸命に復旧に取り組んでいた成果もあり、現在回復傾向にあるようです。

Fire Breaks
参照元:springmountainvineyard.com

ワインテイスティングレポート

Spring Mountain Red Miravalle-La Perla-Chevalier 1999
2021年3月27日

Spring Mountain Red Miravalle-La Perla-Chevalier 1999
カシスやブラックベリーのような黒系果実の香りの中にハッキリとした杉や針葉樹のような植物的なニュアンスが感じられる。枯れ葉やタバコと若干のカカオのニュアンスも取れる。味わいは甘みは控えめでソフト。酸味はシッカリとしておりタンニンはこのヴィンテージでも収斂性が感じられる。植物的なニュアンスとタバコのニュアンスにシッカリとした酸が掛け合わさる事で玄人向けの仕上がりになっており、当編集部では高評価でした。素晴らしい!

カリフォルニアワインについて

ABOUTこの記事の監修者

日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
2011年よりカリフォルニアワインのバックヴィンテージを追求。 ナパバレー、ソノマに足を運び数多くの名門ワイナリーを訪問。 主に海外のワインオークションで希少なバックヴィンテージを調達。

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