Philip Togni Vineyard(フィリップ・トニー・ヴィンヤード)

フィリップ・トニー・ヴィンヤード(Philip Togni Vineyard)

1975年にナパバレーのSpring Mountainにある標高2,000フィートの場所でカベルネ・ソーヴィニョン主体のボルドースタイルのワインを造りだす小さな家族経営のワイナリーを設立し一躍世界にその名を轟かせたPhilip Togni Vineyardフィリップ・トニー・ヴィンヤードが築き上げた栄光の歴史と功績をご紹介します。

フィリップ・トニー・ヴィンヤードについて

Philip Togni

Philip Togni
参照元:thewinecellarinsider.com

イギリス生まれのPhilip Togniフィリップ・トニーはボルドー大学で「現代のワイン醸造学の祖」と呼ばれているフランスのワイン醸造学者Emile Peynaudに師事し1956年にフランス・ボルドー地方のChateau Lascombesでワイン造りのキャリアをスタートさせました。その2年後にはカリフォルニアへ渡りMayacamas Vineyards、Chalone Vineyard、Chappelletで更に経験を積みます。1975年になるとSpring Mountainの標高2,000フィートの霧の上にある土地を購入し、Philip Togni Vineyardフィリップ・トニー・ヴィンヤードを設立します。

この地の土壌は火山性土壌の上に粘土を重ねたもので、その結果、非常に骨格のあるボルドー・ブレンドを造りだします。最初のヴィンテージは1983年で、今では廃版となったソーヴィニヨンブランでした。その後、1985年ヴィンテージからカベルネ・ソーヴィニョン主体のボルドースタイルワインをリリースするようになりました。また、アルコール度数を14%以下に抑えるというポリシーを持ってワイン造りを行っていました。

フィリップ・トニー・ヴィンヤードはナパバレーでは珍しく完全に独立したワイナリーでした。ブドウ畑の管理、ワイン造り、ボトリング、出荷の全てが自社で賄われています。勿論、ブドウを購入する事も無ければ販売する事もありません。

Lisa

Lisa
参照元:webpages.scu.edu

2005年になると娘のLisaリサがフィリップ・トニー・ヴィンヤードのワインメーカーとなりました。

Lisaはサンフランシスコでフランスのワイン醸造会社Boissetの輸入ビジネスに従事していた経験を持ちます。また、フランス・ボルドー地方のChateau Leoville-Bartonで収穫の経験を積み、オーストラリアでも2年ワイン造りの修業を積んだ経験を持ちます。

フィリップ・トニー・ヴィンヤードが獲得した数多くの功績

フィリップ・トニー・ヴィンヤードはロバート・パーカーの著書「世界で最も偉大なワイン・エステート」に掲載されている数少ないカリフォルニアワイナリーの1つです。

この本には世界で最も成功した素晴らしい175のワイナリーが掲載されていますが、アメリカのワイナリーは23ワイナリーしか掲載されておらず、そのうちナパでは17のワイナリーしか掲載されていません。フィリップ・トニー・ヴィンヤードがColgin Cellars、Dalla Valle Vineyards、その他の著名なナパの生産者と共に掲載された事は大変名誉な事です。

また、Brusselsで行われたブラインド・テイスティングでは、ベルギー最高峰のプロのワインテイスター達がカリフォルニアとボルドーの1990年ヴィンテージワインを評価しました。フィリップ・トニー・ヴィンヤードのカベルネ・ソーヴィニョンはLatour、Margaux、Mouton、Haut-Brionをはじめとする他の全てのワイナリーを抑えてトップの栄誉を獲得し、テイスター達は彼らをフランスの生産者だと思ったという伝説を持っています。

主なリリースワイン

Cabernet Sauvignon
フィリップ・トニー・ヴィンヤードのフラッグシップワインでカベルネ・ソーヴィニョンを主体にメルロー、カベルネフラン、プチ・ヴェルドをブレンド。40%のフレンチオークの新樽で平均20ヶ月間熟成させてから瓶詰めされます。
Tanbark Hill
近くにある著名な丘にちなんで付けられたもので、3.5エーカーの主に若いブドウの木から収穫して造られるセカンドラベルです。毎年生産されているわけではなく、生産されても数百ケースしか生産されていません。
Ca' Togni
19世紀の南アフリカの偉大なワインであるコンスタンシアに着想を得た甘口の赤ワインです。使用されるブドウは禁酒法以前にナパバレーで人気のあったBlack Hamburghで栽培面積はわずか1/4エーカー。しぼんでしまったブドウを収穫し発酵、熟成の工程を経てからブランデーが加えられます。2016年が最終ヴィンテージ。

近年のフィリップ・トニー

現在、93歳を迎えたフィリップ・トニーはスウェーデン人の妻Brigitta Togniとワインメーカーに就任した娘のLisaに支えられて依然、活動的にワイナリーに関与しています。近い将来Lisaがフィリップ・トニーのワイン哲学を持ってワイナリー経営を引き継ぐ事は明白でしょう。

Philip Togni with his daughter Lisa and wife Birgitta

Philip Togni with his daughter Lisa and wife Birgitta
参照元:winespectator.com

ワインテイスティングレポート

Philip Togni Vineyard Cabernet Sauvignon 1999
2020年12月21日

Philip Togni Vineyard Cabernet Sauvignon 1999
ブラックベリーのような黒系果実や黒スグリの香りの中にカベルネ・ソーヴィニョン特有の杉や針葉樹のニュアンスが非常にハッキリと感じ取れる。また、ややスモーキーでスパイシーな印象もある。味わいは甘みは控えめでソフト。酸味は比較的シッカリと感じられ、タンニンはこのヴィンテージにして非常にシッカリと感じられる。杉や針葉樹、林床といった植物的なニュアンスが非常に強く感じられる独特な1本でした。

Philip Togni Vineyard Ca Togni Sweet Red 1998
2020年12月21日

Philip Togni Vineyard Ca Togni Sweet Red 1998

水分を失い乾燥しかけたMuscat of Hamburgから造られるこの甘口ワインは熟したプラムやラムレーズンの強い香りがありハーブやカモミール、お香のようなニュアンスも取れる。味わいは甘口だけあって残糖感があり酸味は滑らかだが残っている。タンニンは溶け込んでいる印象。極甘口ではあるが若干の果実味と酸味が残っている事から非常に心地よい印象を受ける。1度お試しあれ!

カリフォルニアワインについて

ABOUTこの記事の監修者

日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
2011年よりカリフォルニアワインのバックヴィンテージを追求。 ナパバレー、ソノマに足を運び数多くの名門ワイナリーを訪問。 主に海外のワインオークションで希少なバックヴィンテージを調達。

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