ワインスペクテーター誌によって「Professor Chardonnay(シャルドネの師範)」と呼ばれたDavid Ramey率いるRamey Wine Cellarsレイミー・ワイン・セラーズは、ソノマとナパの最高のブドウ畑から、シャルドネをはじめ、ピノノワール、カベルネ・ソーヴィニョン、シラーを造りだすカリフォルニアトップワイナリーの1つです。
レイミー・ワイン・セラーズについて
1951年にシアトルで生まれたDavid Rameyデイヴィッド・レイミーは、カリフォルニア大学デイヴィス校でワイン学を学びました。1979年に卒業するとフランスへ渡り、ボルドー地方右岸のポムロール「Chateau Petrusシャトー・ペトリュス」で若手アシスタントとして経験を積みます。
※当時カリフォルニア大学デイヴィス校の同級生にはCathy Corison、John Kongsgaard、Lee Hudsonといった後にカリフォルニアワイン業界を牽引していく事になるワインメーカー達がいました。
その後、カリフォルニアに戻り、Matanzas Creek、Chalk Hillでワイン造りを主導しました。
そして、
1996年にデイヴィッド・レイミーと妻Carla Rameyは美しく熟成するクラシックなスタイルで、エレガント且つバランスの取れたワインを造る事をビジョンにソノマの地でRamey Wine Cellarsレイミー・ワイン・セラーズを設立しました。
ちょうどその頃デイヴィッド・レイミーはChateau Petrusシャトー・ペトリュスがカリフォルニアで運営するワイナリーDominus EstateでVice President兼ワインメーカーに就任します。
レイミー・ワイン・セラーズでは当初Carnerosの歴史あるワイナリーHyde Vineyardsからブドウ(シャルドネ)を仕入れ、その後デイヴィッド・レイミーが1998年にワインメーカーとして参画した
Rudd Estateからもブドウ(シャルドネ)を買い始め、シャルドネに専念していました。
ワインはOakevillの古いGirard Wineryの敷地に建てられたRudd Estateの施設を間借りして造られていました。
2001年になるとナパバレーのDiamond MountainとJericho Canyonからの果物を使って最初のカベルネを生産しました。
次のステップへ進むレイミー・ワイン・セラーズ
2002年になるとデイヴィッド・レイミーはRudd Estateでのワインメーカーの職を退き、レイミー・ワイン・セラーズでのワイン造りに専念します。
同年8月には
Cameron Freyをワインメーカーとして迎え入れます。Cameron Freyは1996年にソノマのE.&J.Gallo Wineryでアシスタント・ワインメーカーとして参画します。
その後2001年にイタリア・プーリア州のCasa Girelli WineryでHarvest Winemakerの職に就きます。2002年にレイミー・ワイン・セラーズでワインメーカーの職に就くとCameron Freyは全ての生産タスクを管理しました。
2003年になると
Healdsburgにレイミー・ワイン・セラーズのワイナリーを建設し移動します。
ただし、この時点ではレイミーが自ら保有する畑はまだありません。
2004年にはソノマコースト産のブドウから造られたシラーをリリースします。2007年には同じHealdsburgにあるテイスティングルームを備えた白ワイン製造施設へ本拠地を移します。以後、今までのHealdsburgの場所は赤ワイン専用の製造施設になります。
2012年には念願の自社畑を保有します。Russian River ValleyのWestside Roadに75エーカーの土地(Westside Farms)を購入し42エーカーの畑にブドウを植えます。場所はウィリアムズ・セリエム・ワイナリーの向かい、ロキオリ・ヴィンヤーズの南1マイルに位置する最高の立地です。
レイミー・ワイン・セラーズの勢いはまだ止まらない!
2012年にソノマコーストのPlatt Vineyardからブドウを購入し、レイミー・ワイン・セラーズ初のピノノワールをリリースします。
このPlatt Vineyardは海岸線から約5マイルの丘の中腹400から800フィートの範囲にあり、その品質の高さからLittorai Wines、Radio-Coteau、Red Car Wine等でも使われています。
2013年には
長女Claire Rameyがレイミー・ワイン・セラーズに参画します。ClaireはポートランドのReed Collegeを卒業し、モンテネグロのサッカー選手と結婚してレイミー・ワイン・セラーズのあるWestside Farmsで暮らしています。
レイミー・ワイン・セラーズではワインメーカーのチームに加わって、生産前の業務全般を手伝っています。
そして、翌年2014年には初のエステート(自社畑)・シャルドネRamey Westside Farms Estate Chardonnay Russian River Valleyをリリースします。
同じく2014年にレイミー・ワイン・セラーズはレイミーブランドでは提供されていない手頃な価格の品種(ソーヴィニョン・ブラン、ケルナー、ジンファンデル)とブレンドを取り扱う事を特徴とする
Sidebar Cellarsサイドバー・セラーズを設立します。
レイミー・ワイン・セラーズがソノマとナパに限定したブドウを使うのに対し、サイドバー・セラーズはMendocino CountyやLodiからもブドウを仕入れています。
2015年には10番目のシャルドネRamey Chardonnay Rochioli Vineyard Russian River Valleyをラインナップに追加します。これでレイミー・ワイン・セラーズのシャルドネは3つのアペラシオンと7つのシングルヴィンヤードをリリースする事になります。
2016年には
長男Alan Rameyがレイミー・ワイン・セラーズに参画します。
AlanはワシントンDCにあるAmerican Universityのインターナショナルサービススクールを卒業し、チリのVeramonte WineryとブルゴーニュのMeo Camuzetで収穫を中心とした修業を重ねました。
その後、フルタイムでレイミー・ワイン・セラーズに参画し、主にマーケティング、取引、顧客のテイスティング対応を担当します。
Ramey Wine Cellars Vineyard Map ~レイミーが提携・管理・保有する畑
レイミー・ワイン・セラーズではソノマとナパの最高の畑と提携してブドウを仕入れています。
また、ソノマにはエステートの畑も所有しており、シャルドネ10種、カベルネ・ソーヴィニョン5種、カベルネブレンド4種、カベルネフラン1種、メルロー1種、ピノノワール2種、シラー4種をリリースしています。
以下にレイミー・ワイン・セラーズが提携・管理・保有する畑の詳細をご紹介します。
NAPA
Hudson Vineyard
ナパバレーのカーネロスにあるHudson Ranch & Vineyardsが保有する畑で、Lee Hudsonが1981年に設立したワイナリーです。主にシャルドネを仕入れています。
Hyde Vineyard
ナパバレーのカーネロスにあるHyde Vineyardsが保有する畑で、Larry Hydeが1979年に設立したワイナリーです。主にシャルドネを仕入れています。
Jericho Canyon Vineyard
ナパバレーのカリストガにあるJericho Canyon Vineyardが保有する畑で、Marla BleecherとDale Bleecherが1989年に設立したワイナリーです。主にカベルネ・ソーヴィニョンを仕入れています。
Pedregal Vineyard
ナパバレーのオークビル東部にあるこの畑はカベルネ・ソーヴィニョン85%、プチヴェルド15%が植えられたレイミー・ワイン・セラーズが管理する畑です。「Pedregal」はスペイン語で岩が多い場所を意味します。
Sonoma
Cole Creek Vineyard
ソノマコースト・Russian River Valleyにある涼しい気候が特徴のCole Creek Vineyardはシラーと少量のヴィオニエが植えられています。
Platt Vineyard
太平洋から5マイルの標高400から800フィートに位置するこの畑は、元Hewlett-PackardのCEOであったLewis Plattと妻Joan Plattが所有する畑で、この畑から主にピノノワールを仕入れています。
Ritchie Vineyard
ソノマコースト・Russian River Valleyにある涼しい気候が特徴のRitchie Vineyardは、Kent Ritchieが1972年に設立したワイナリーが保有する畑です。
その品質の高さからカリフォルニアのグランクリュと呼ばれています。この畑からは主にシャルドネを仕入れています。
Rochioli Vineyard
1982年にJoe Rochioliが設立したロキオリ・ヴィンヤーズが保有する畑で、2015年にレイミー・ワイン・セラーズのラインナップに追加されました。この畑からは主にシャルドネを仕入れています。
Rodgers Creek Vineyard
冷たい太平洋の空気の影響を受けるペタルマギャップに位置するこの畑は、ソノマ郡で最も涼しく霧の多いエリアです。この畑からは主にシラーを仕入れています。
Westside Farms
2012年にRussian River ValleyのWestside Roadに植えられたレイミー・ワイン・セラーズ初の自社畑です。この畑からは主にシャルドネを仕入れています。
Woolsey Road Vineyard
ソノマコースト・Russian River Valleyにある涼しい気候が特徴のこの畑はMartinelli Wineryが所有しており、この畑からは主にシャルドネを仕入れています。
近年のレイミー・ワイン・セラーズ
2017年からレイミー・ワイン・セラーズでは、2012年に取得したWestside Roadの75エーカーの土地(Westside Farms)に新しいワイナリーとテイスティングルームを構築するための取り組みを続けています。敷地にはワイナリーの建物、カーヴ、宿泊施設、テイスティングルームの建設を予定しており、現在のHealdsburgにある施設から移設し、新しい敷地に集約させる事を想定しています。
家族経営のワイナリーが直面する壁の1つに後継者問題があります。2020年現在、長女Claire Rameyは29歳、長男Alan Rameyは27歳になりますが、既にレイミー・ワイン・セラーズの業務に関与しているのはとても幸運な事です。
しかしながら2020年に70歳を迎えるDavid Rameyは現在でも旧世界の伝統と新世界の技術を融合させたカリフォルニアスタイルのワインを開発し続け、暫くは現役を続行していくつもりでいるようです。
テイスティング・レポート
Ramey Chardonnay Ritchie Vineyard vs Rochioli Vineyard vs Fort Ross-Seaview
2020年6月19日
ソノマ産のレイミー・ワイン・セラーズ・シャルドネ3種飲み比べ。
Ramey Ritchie Vineyard Chardonnay 2016
香りは柑橘類、青リンゴ、レモングラス、ライムといったミネラリーな印象が強い。その中にほんのりスパイシーでバターのニュアンスも感じ取れる。
味わいは甘みはソフトで、酸味は爽やか。苦味は穏やか。後味にやや塩味が感じ取れる。カリフォルニアのシャルドネ特有の樽の効いた印象はあるものの、全体的にミネラル感が強い印象を受けました。
Ramey Rochioli Vineyard Chardonnay 2015
ブリオッシュのニュアンスの中に白い花の印象が取れる。若干ヘーゼルナッツの香りも取れる。味わいは甘みはソフトで、酸味はシッカリしている。苦味は穏やか。酸味の強さが特徴的でした。
Ramey Sonoma Coast(Fort Ross-Seaview) Chardonnay 2016
主にMartinelli WineryのCharles Ranch産のブドウで構成されるこのワインは、香りは白い花の中に若干のバターやアーモンドのニュアンスが取れる。味わいは甘みはソフトで、酸味は爽やか。苦味は比較的シッカリしている。後味に残る苦味が特徴的なでした。
Ramey Hyde Vineyard Chardonnay 2016
2020年6月20日
数少ないナパバレー産(HydeとHudsonの2種)のレイミー・ワイン・セラーズ・シャルドネです。
香りは柑橘類、リンゴのニュアンスの中にスイカズラが取れる。味わいは甘みはソフトで、酸味はシッカリしている。苦味は穏やか。酸味の強さが特徴的でした。
当編集部ではミネラル感の印象が強いRamey Ritchie Vineyard Chardonnayが最も高評価でした。
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