1979年代後半にイタリア出身のスキューバダイビング器具会社ScubaproのオーナーGustave Dalla Valleと、兵庫県出身のナオコは東京の職場で出会いました。
彼らは結婚してナパバレーへ移住しました。そこで、リゾートとレストランを開くつもりでしたが、Gustave Dalla Valleの実家はイタリアで伝統あるワイン醸造家であり、ナオコの実家は日本酒の酒造家という事もあり、1982年に購入した土地がワイン造りに適している事に気付き、カリフォルニア州オークヴィル東部のこの土地(丘の中腹で最大450フィート)にカベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フラン、サンジョベーゼを植えました。
1987年長女Mayaが生まれた年に5エーカーの土地に特別なカベルネ・ソーヴィニョンを植え(Maya Block)、厳選されたカベルネ・ソーヴィニョンとカベルネ・フランのブレンドで造るDalla Valle Maya Proprietary Red Blendを1988年にリリースします。
これは娘の名前にちなんで名付けられました。
1990年代には、Gustave Dalla Valleがイタリア出身という事もあってPietre Rosseという名称でSangioveseをリリースしていましたが、2001年までに段階的に廃止されました。
夫の死、そしてダラ・ヴァレ第2章の幕開け
1995年の冬に夫Gustave Dalla Valleが亡くなりました。さらにちょうどこの頃ブドウ畑が病気(葉巻病)になり始めました。
このような事から誰もがナオコがワイナリーを売ると思っていました。ところが、1995年にリリースされたダラ・ヴァレのワインには1992年ヴィンテージのMayaが含まれており、このDalla Valle Maya Proprietary Red Blendが初のパーカーポイント100点満点を獲得したのです。
自社畑の中で最上級のカベルネ・ソーヴィニョンとカベルネ・フランをブレンドして造られます。主にマヤブロックから収穫されたブドウを使用しており、カベルネ・フランのブレンド比率が比較的高いのが特徴。ファーストヴィンテージは1988年で娘のMaya Dalla Valleが名前の由来です。
MDV
MDVは、特別な年にのみ生産され、メーリングリストのみで販売される幻のワインです。マヤのベースであるマヤブロックの厳選されたカベルネ・ソーヴィニョンを100%使用。MDVはMaya Dalla Valleの略。1999年にチャリティーオークションロットのためにマヤブロックからカベルネ・ソーヴィニョンを造った際のワインが、現在のプロトタイプになっています。
最終的に娘であるMaya Dalle Valleがワイナリーのメイン生産者になり、これまでダラ・ヴァレ・ヴィンヤーズのワイン造りを指導してきた有名なコンサルタントから引き継ぐ事で家業を担っていく日も遠くはないでしょう。
テイスティング・レポート
Collina Dalla Valle 2014 vs Dalla Valle Cabernet Sauvignon 1995 vs Maya 1998 2020年4月9日
Collina Dalla Valle 2014はコーヒー、カカオの香りが強く、甘草のニュアンスも取れる。味わいは甘い香りはするものの、甘みはソフトで酸味は比較的シッカリ残る。タンニンは収斂性があり長く続く。とてもセカンドとは思えぬクオリティ。
Dalla Valle Cabernet Sauvignon 1995は、25年の熟成にもかかわらず干しプラムというよりはブルーベリーやブラックチェリーのような果実が感じられる。若干ではあるが土や煙のニュアンスも取れる。味わいは甘みはソフトで控えめ。酸味はかなりシッカリしており、タンニンに収斂性は感じられず、むしろ溶け込んでいる。25年の熟成でこの酸味と果実味は驚きでした。素晴らしい!
Dalla Valle Maya Proprietary Red Blend 1998は、フルーツジャムの香りの中にスモーキーでスパイシーなニュアンスが取れる。カベルネ特有の杉や針葉樹の香りも若干取れる。味わいは甘みはソフトで酸味は比較的シッカリしている。タンニンはやや強め。
ヴィンテージや保存状態にもよるが、当編集部ではDalla Valle Cabernet Sauvignon 1995が圧倒的に高評価でした。
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