パリ・テイスティング(パリスの審判)とは
カリフォルニアワインvsフランスワイン ブラインドテイスティング対決までの経緯
米仏ワインラインナップ
カリフォルニア 赤 カベルネソーヴィニヨン
カリフォルニア 白 シャルドネ
フランス 赤 カベルネソーヴィニヨン
フランス 白 シャルドネ
誰もが信じられない結果が待っていた!
白ワイン (カッコ内の数字は点数※180点満点)
1位.(米) Chateau Montelena 1973 (132)
2位.(仏) Meurault Charmes Roulot 1973 (126.5)
3位.(米) Chalone Vineyards 1974 (121)
4位.(米) Spring Mountain 1973 (104)
5位.(仏) Beaune Clos des Mouche Joseph Drouhin 1973 (101)
6位.(米) Freemark Abbey 1972 (100)
7位.(仏) Batard Montrachet Ramonet 1973 (94)
8位.(仏) Puligny Montrachet Les Pucelles Leflaive 1972 (89)
9位.(米) Veedercrest 1972 (88)
10位.(米) David Bruce 1973 (42)
赤ワイン
1位.(米) Stag’s Leap Wine Cellars 1973 (127.5)
2位.(仏) Chateau Mouton Rothschild 1970 (126)
3位.(仏) Chateau Haut Brion 1970 (125.5)
4位.(仏) Chateau Montrose 1970 (122)
5位.(米) Ridge Monte Bello 1971 (105.5)
6位.(仏) Chateau Leoville Las Cases 1971 (97)
7位.(米) Mayacamas 1971 (89.5)
8位.(米) Clos Du Val 1972 (87.5)
9位.(米) Heitz Cellar Martha’s Vineyard 1970 (84.5)
10位.(米) Freemark Abbey 1969 (78)
1986年「パリスの審判10周年企画」リターンマッチ開催
1976年に開催されたパリテイスティングではフランスのワイン業界関係者やマスコミから「カリフォルニアワインのエントリー本数が多かった(6割)」「フランスのワインは熟成してはじめて真価を発揮する」等のクレームがつきました。このような異議申し立てもあり、10年後の1986年にニューヨークで「パリスの審判10周年企画」としてリターンマッチが開催されることになりました。
ルールは赤ワインのみのブラインドテイスティングとなりましたが、10年前と同一のヴィンテージでの対決という条件(※(米) Freemark Abbey 1969 (78)は不参加。)で、審査員は米国のワイン業界関係者8名で行われました。果たして10年の熟成でフランスのワインは真価を発揮することが出来たのでしょうか。結果は以下の通りです。
またしても1位を獲得したのはカリフォルニア産のワインでした。今回は1位、2位とカリフォルニアワインが占める結果になりました。こうして「熟成することでフランスワインは真価を発揮する」といったクレームは覆されたのです。
2006年「パリスの審判」から30年後の再々戦 ~パリテイスティング完結編
今回は英国ロンドンと米国ナパの2拠点同時開催で、審査員は専門家各9名、1976年に開催された際に審査対象になったワインと同一ヴィンテージで、赤ワインのみの熟成による評価対決というルールで行われました。オーガナイザーはロンドンがスパリア、ナパがギャラガーで担当しました。仏ボルドーの熟成は30年を経過するとピークに差し掛かると考えられており、今回こそはフランスワインが優勢との見方が多かったようですが結果は次の通りとなりました。
※今回Freemark Abbeyは再度エントリーとなりました。
1位.(米) Ridge Monte Bello 1971
2位.(米) Stag’s Leap Wine Cellars 1973
3位.(米) Heitz Cellar Martha’s Vineyard 1970
4位.(米) Mayacamas 1971
5位.(米) Clos Du Val 1972
6位.(仏) Chateau Mouton Rothschild 1970
7位.(仏) Chateau Montrose 1970
8位.(仏) Chateau Haut Brion 1970
9位.(仏) Chateau Leoville Las Cases 1971
10位.(米) Freemark Abbey 1969
なんと、カリフォルニアワインが1位から5位までを独占するという結果になったのです。ちなみに2拠点とも1位のリッジ・モンテベロへの評価点が圧倒的に高かったとのことでした。このような歴史的大事件を契機にフランスワイン一強型から世界各国のワインに目が向けられるようになり、ワールドワイドにワイン産業が発展していったのだと考えられます。
パリテイスティング赤ワイン部門を再現!
2021年11月11日
2021年11月11日(木)17:30から東京・青山のフレンチレストラン「青山ブション アミュゼ」にて伝説の米仏ブラインドテイスティング対決「パリテイスティング」の赤ワイン部門を再現。審査方法は有資格者(ワインエキスパート、ソムリエ)8名が最も評価できると判断したワインを2つ選び、総投票数で順位を決定。ラインナップの詳細は以下の通り。
アメリカ
Freemark Abbey 1980 (フリーマーク・アビー )
Heitz Cellar Martha’s Vineyard 1988 (ハイツ・セラーズ)
Mayacamas Vineyards 1983 (マヤカマス)
Ridge Vineyards Monte Bello 1984 (リッジ・モンテベッロ )
Clos Du Val 1993 (クロ・デュ・ヴァル)
Stag’s Leap Wine Cellars SLV 1986 (スタッグス・リープ)
フランス
Chateau Haut Brion 1983 (オー・ブリオン)
Chateau Mouton Rothschild 1984 (ムートン・ロートシルト)
Chateau Montrose 1981 (モンローズ)
Chateau Leoville Las Cases 1984 (レオヴィル・ラス・カーズ)
これまでパリテイスティングは第1回目の1976年を皮切りに合計3回開催されています。
各会の順位の詳細は下記の通りです。
第1回目 1976年開催
1位.(米) Stag’s Leap Wine Cellars 1973
2位.(仏) Chateau Mouton Rothschild 1970
3位.(仏) Chateau Haut Brion 1970
4位.(仏) Chateau Montrose 1970
5位.(米) Ridge Monte Bello 1971
6位.(仏) Chateau Leoville Las Cases 1971
7位.(米) Mayacamas 1971 (89.5)
8位.(米) Clos Du Val 1972
9位.(米) Heitz Cellar Martha’s Vineyard 1970
10位.(米) Freemark Abbey 1969
第2回目 1986年開催
1位.(米) Clos Du Val 1972
2位.(米) Ridge Monte Bello 1971
3位.(仏) Chateau Montrose 1970
4位.(仏) Chateau Leoville Las Cases 1971
5位.(仏) Chateau Mouton Rothschild 1970
6位.(米) Stag’s Leap Wine Cellars 1973
7位.(米) Heitz Cellar Martha’s Vineyard 1970
8位.(米) Mayacamas 1971
9位.(仏) Chateau Haut Brion 1970
※(米) Freemark Abbey 1969は不参加。
第3回目 2006年開催
1位.(米) Ridge Monte Bello 1971
2位.(米) Stag’s Leap Wine Cellars 1973
3位.(米) Heitz Cellar Martha’s Vineyard 1970
4位.(米) Mayacamas 1971
5位.(米) Clos Du Val 1972
6位.(仏) Chateau Mouton Rothschild 1970
7位.(仏) Chateau Montrose 1970
8位.(仏) Chateau Haut Brion 1970
9位.(仏) Chateau Leoville Las Cases 1971
10位.(米) Freemark Abbey 1969
そして気になる今回の結果は下記の通りとなりました。
第4回目 2021年開催
1位. (米) Ridge Vineyards Monte Bello 1984 (リッジ・モンテベッロ ) 6票
2位. (仏)Chateau Haut Brion 1983 (オー・ブリオン) 4票
3位. (米) Heitz Cellar Martha’s Vineyard 1988 (ハイツ・セラーズ) 2票
3位. (米) Clos Du Val 1993 (クロ・デュ・ヴァル) 2票
5位. (米) Mayacamas Vineyards 1983 (マヤカマス) 1票
5位. (米) Stag’s Leap Wine Cellars SLV 1986 (スタッグス・リープ) 1票
7位. (米) Freemark Abbey 1980 (フリーマーク・アビー ) 0票
7位. (仏)Chateau Mouton Rothschild 1984 (ムートン・ロートシルト) 0票
7位. (仏)Chateau Montrose 1981 (モンローズ) 0票
7位. (仏)Chateau Leoville Las Cases 1984 (レオヴィル・ラス・カーズ) 0票
2006年開催の第3回パリテイスティングの覇者(米) Ridge Vineyards Monte Belloがダントツの1位でした。また、今回もカリフォルニアワインが圧倒的上位を占有しているのが分かります。
Ridge Vineyards Monte Bello 1984 (リッジ・モンテベッロ )の内容としては、このヴィンテージにして豊かな果実味があり、長く続く酸がエレガントさも演出している奇跡の熟成が非常に印象的でした。やはり熟成したカリフォルニアワインは偉大でした!
パリテイスティング赤ワイン部門を再現! 90年代編
2023年7月6日
2023年7月6日(木)18:00から代官山のIvy Placeにてパリテイスティング赤ワイン部門を90年代縛りで再現。8名の参加者と1名のディレクターにより最も印象に残ったワインを2種選定し、総投票数で順位を決定する夜会を行いました。
アメリカ
Freemark Abbey 1994 (フリーマーク・アビー )
Heitz Cellar Martha’s Vineyard 1992 (ハイツ・セラーズ)
Mayacamas Vineyards 1994 (マヤカマス)
Ridge Vineyards Monte Bello 1994 (リッジ・モンテベッロ )
Clos Du Val 1993 (クロ・デュ・ヴァル)
Stag’s Leap Wine Cellars SLV 1994 (スタッグス・リープ)
フランス
Chateau Haut Brion 1994 (オー・ブリオン)
Chateau Mouton Rothschild 1990 (ムートン・ロートシルト)
Chateau Montrose 1996 (モンローズ)
Chateau Leoville Las Cases 1991 (レオヴィル・ラス・カーズ)
主なワインの特徴
(米)Freemark Abbey 1994 (フリーマーク・アビー )
今回のラインナップの中では唯一、甘味が際立っており、カリフォルニアらしさが出ていた。
(米)Heitz Cellar Martha’s Vineyard 1992 (ハイツ・セラーズ)
枯れ葉や土、クローヴのニュアンスがあり、非常に複雑で完成されている。
(米)Mayacamas Vineyards 1994 (マヤカマス)
このヴィンテージにして果実味と酸がシッカリと感じられ、万人に親しみやすい印象
(米)Ridge Vineyards Monte Bello 1994 (リッジ・モンテベッロ )
果実味、酸味、豊かなアロマ全てのバランスが絶妙に調和し、2006年の覇者の貫禄が感じられた。
(仏)Chateau Haut Brion 1994 (オー・ブリオン)
未だ飲み頃を迎えていない印象はあったが、10年後に開花するポテンシャルを感じさせるオーラが感じられた。
(仏)Chateau Mouton Rothschild 1990 (ムートン・ロートシルト)
このヴィンテージに限り、色調が明るく、ピノノワールを連想させるほど非常にライトな印象を受けた。
マリアージュ
羊肉と牛肉を味付けや調理方法を変えて、米仏それぞれに寄せ、食べ比べました。このマリアージュはワイン業界で幅広く活躍されている著名なワインディレクター田邊公一(たなべこういち)氏によるアレンジです。基本的に品種は同じですが、各ワインの特徴を見事に捉えた素晴らしいマリアージュでした。
今回の投票結果は下記の2種がダントツでした。カリフォルニアワインの素晴らしさを改めて再認識できた会となりました。
(米)Ridge Vineyards Monte Bello 1994 (リッジ・モンテベッロ )
(米)Heitz Cellar Martha’s Vineyard 1992 (ハイツ・セラーズ)
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