標高1,000~1,600フィートの霧の上、山の斜面に位置し、一貫してボルドーブレンドに拘るナパバレーで初めてボルドー5品種を栽培した先駆的なワイナリーMount Veeder Wineryマウント・ヴィーダー・ワイナリーの歴史と功績をご紹介します。
マウント・ヴィーダー・ワイナリーについて
Mount Veeder Wineryマウント・ヴィーダー・ワイナリーはナパバレーの南西、ナパとソノマの境にあるマヤカマス山脈の標高1,000~1,600フィートに位置しています。現在はMount Veeder AVAとしてアメリカのワイン栽培地域として認定されています。
1964年にMichael BernsteinとArlene Bernstein夫妻は「マウント・ヴィーダーの40エーカーの土地でプルーン農園を!」というウォール・ストリート・ジャーナルの広告を目にしました。Michael Bernsteinはサンフランシスコの連邦取引委員会の仕事を辞め、別荘としてこの土地を購入しました。
ある時、近くに住んでいた農夫から60本のブドウの挿し木を貰った為、土に埋めて放置してみると58本がたくましく生き残りました。これを機に夫妻はブドウ畑を造りました。最終的にはブドウはボルドーの代表的な5品種(カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネフラン、マルベック、プティ・ヴェルド)が植えられました。マウント・ヴィーダー・ワイナリーの始まりです。ファーストヴィンテージは1973年のカベルネ・ソーヴィニョンでした。
度重なる所有権移転劇で迷走するマウント・ヴィーダー・ワイナリー
息を吹き返し邁進するマウント・ヴィーダー・ワイナリー
保有・管理する畑
ブドウ畑は岩の多い斜面の上にある為、トラクターなどの農機具は殆ど使用できず、作業は事実上全てが手作業で行われます。標高が高く火山性土壌のブドウ畑は冷涼だが、霧線より上にある為、谷底のブドウ畑よりも多く太陽を浴びる事が出来ます。
これにより深い凝縮感のあるフレーバーとソフトなタンニンを生み出します。また、畑は3つの大きな区画に分かれており、Winery Ranch、North Ranch、Rosenquist Ranchと名付けられています。以下にその詳細をご紹介します。
近年のマウント・ヴィーダー・ワイナリー
1999年に世界有数のプレミアムワイン会社Constellation Brandsの傘下となったマウント・ヴィーダー・ワイナリーは2000年代以降、徐々に評判を上げていきました。そして、2015年にワインメーカーとしてNiki Williamsを迎え入れ、戦力を強化しました。Niki Williamsは2012年にカリフォルニア大学デービス校で学位を取得しFranciscan EstatesとL’Avenir Wine Estateで経験を積みます。
2013年にはMerryvale Family of Winesでワインメーカーを務め、2015年にマウント・ヴィーダー・ワイナリーでシニアワインメーカーに就任します。現在、マウント・ヴィーダー・ワイナリーはNiki Williams主導の元、その独特のテロワールを反映したワイン造りで世界中の注目を集めています。
ワインテイスティングレポート
Mount Veeder Reserve Red 1991
2020年12月12日
マウント・ヴィーダー・ワイナリーのエステート(自社畑)で収穫されたボルドー5品種で造られるこのワインは、敷地内で最も古い樹齢のブドウの木から特に濃縮されたブドウを厳選して少量ずつ収穫して造られるプレミアムワインです。
ブラックチェリーや熟したプラムの香りがあり、カベルネ・ソーヴィニョン特有の杉のニュアンスが強く出ている。モカや枯れ葉、葉巻のニュアンスも取れる。味わいは甘さ控え目で酸味が比較的シッカリとしており、収斂性のある強いタンニンが特徴的でした。超玄人向けカベルネ・ソーヴィニョンといった印象で個人的には好みです。
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